立花証券(株)に対する検査結果に基づく勧告について


平成14年8月27日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容

 関東財務局長が立花証券株式会社(東京都中央区日本橋、資本金約67億円、役職員約610名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社の使用人に係る法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、適切な措置を講ずるよう勧告した。


2.事実関係

(1) 取引一任勘定取引の契約の締結

マル1 本店投資相談部歩合外務員は、平成13年5月22日、顧客との間で、株式の売買の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、売買の別、銘柄、数及び価格の全部について定めることができることを内容とする契約を締結した上で、平成13年5月29日から同14年1月16日までの間、取引を受託、執行した。

マル2 横浜支店長は、平成10年7月23日から同13年7月2日にかけて、顧客との間で、株式の売買の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、数及び価格について定めることができることを内容とする契約を多数回にわたり締結した上で、同期間、取引を受託、執行した。

マル3 本店第三営業部専任課長は、平成11年12月3日から同14年1月18日にかけて、複数の顧客との間で、株式の売買の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、価格、又は数及び価格について定めることができることを内容とする契約を多数回にわたり締結した上で、同期間、取引を受託、執行した。

 当該使用人が行った上記の契約の締結行為は、証券取引法第42条第1項第5号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項第3号)に規定する「取引一任勘定取引の契約を締結する行為」に該当すると認められる。

(2) 実勢を反映しない作為的相場が形成されることとなることを知りながら一連の有価証券の売買取引の受託をする行為

 本店第三営業部専任課長は、平成12年11月9日及び同年11月10日、複数の顧客が、保有する特定の上場銘柄の株式について、売買益の実現を図るため、一連の成行又は高い指値の買付注文及び売付注文を連続して発注する方法により、当該銘柄の株価を引き上げることを知りながら、当該一連の売買注文を受託、執行した。

 当該使用人が行った上記行為は、証券取引法第42条第1項第9号の規定に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令(平成12年総理府令第116号による改正前のもの)第4条第3号に規定する「実勢を反映しない作為的相場が形成されることとなることを知りながら一連の有価証券の売買取引の受託をする行為」に該当すると認められる。

(3) 証券会社の使用人による投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買

 本店資産運用部専任部長は、平成3年6月13日から同13年12月10日までの間、複数の顧客の口座を使用して、自己の計算に基づく株式の売買を多数回にわたり行った。
当該部長が行ったこれらの取引は、専ら投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買と認められる。

 当該使用人が行った上記行為は、証券取引法第42条第1項第9号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項6号)に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第5号(平成12年6月30日以前の行為については、証券会社の行為規制等に関する命令第4条第5号、平成10年11月30日以前の行為については、同年総理府令・大蔵省令第33号による改正前の証券会社の健全性の準則等に関する省令第2条第5号)に規定する「証券会社の使用人による投機的利益の追求を目的として有価証券の売買をする行為」に該当すると認められる。

 

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