日興ソロモン・スミス・バーニー・リミテッドに対する
検査結果に基づく勧告について

平成15年3月7日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容

 証券取引等監視委員会は、日興ソロモン・スミス・バーニー・リミテッド(東京支店 東京都港区赤坂、役職員約1,000名、以下「日興ソロモン・スミス・バーニー証券」という。)を検査した結果、下記のとおり当該外国証券会社及び当該外国証券会社の使用人に係る法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。


2.事実関係

○ 実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買取引

 日興ソロモン・スミス・バーニー証券は、特定の法人顧客との間で、当該顧客が保有する多数の上場銘柄の大量の株式(以下「買入株式」という。)を買い付け、当該買入株式をもとに株価指数連動型投資信託(以下「ETF」という。)を組成する契約を締結していたが、当該契約において、買入株式に係る当該顧客への支払金額については、ETF組成に不足する株式(以下「不足株式」という。)の総額を特定の日における東京証券取引所(以下「東証」という。)の各銘柄の終値により計算し、これを当該ETFの総額から控除する方法で決定する旨定められていた。

 平成14年7月18日、同証券エクイティ本部プログラム・トレーディングデスク マネージングディレクターは、その業務に関し、多数の不足株式の買付けに際して、上記契約において、不足銘柄の当該特定の日の東証における終値が同証券の平均買付単価を上回るほど同証券に利益が発生することとなっている中で、当日の東証の終値を引き上げる目的で、
(1) 複数の銘柄については、14時59分頃から大引けにかけて、約定により価格の上昇がほぼ確実と予想されるような著しく過大な数量の株数を成行及び引け条件を付した成行の買付注文を東証に発注し、
(2) 主たる取引所が大阪証券取引所(以下「大証」という。)である複数の銘柄については、14時56分頃から大引けにかけて、海外関係会社の口座を使用して小口の成行の買付注文を連続して東証に発注するとともに、大証での直近約定価格に一定割合を上乗せした指値の買付注文を、上乗せ率を大引けにかけて徐々に引き上げながら連続して東証に発注し、
それぞれの銘柄について東証の終値を引き上げた。

 当該外国証券会社及びその使用人が行った上記行為は、外国証券業者に関する法律第14条第1項において準用する証券取引法第42条第1項第9号に基づく外国証券業者に関する内閣府令第24条第21項において準用する証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第3号に規定する「実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買取引をする行為」に該当すると認められる。
   

資料等
(ファイル容量は96kbあります。)


 

 

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