日本協栄証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

平成18年1月20日
証券取引等監視委員会



.勧告の内容
 関東財務局長が日本協栄証券株式会社(東京都中央区、資本金844百万円、役職員81名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社及びその役職員に、法令違反の事実が認められたので、平成18年1月20日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。





.事実関係

 



 実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買取引の受託等を防止するための売買管理が十分でないと認められる状況

 


(1)


 日本協栄証券株式会社常務取締役及び取引審査部担当執行役員監査部長(当時)は、その業務に関し、売買管理システムにより、買上がり買付けや自己対当売買等、実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買取引の可能性があるインターネット取引(以下「不適切なインターネット取引」という。)を複数回抽出していたにもかかわらず、監査部長(当時)に報告すべき取引の具体的な基準を示すなどの売買審査担当者に対する十分な指導を行わなかったことから、それらについて報告がなされず、不適切なインターネット取引を検討しないまま放置している、

(2)

 取引審査部担当執行役員監査部長(当時)は、その業務に関し、東京証券取引所の調査などを契機として、不適切なインターネット取引を行った顧客に注意喚起しているが、その際当該顧客の実態に合致しない売買動機の説明や作為的相場形成を認めるような発言を受けても何ら具体的な検証を行わずそれを放置し、複数回に及ぶ東京証券取引所や日本証券業協会の調査を受けるまで同様の注文の受託を継続している、

(3)

 常務取締役は、その業務に関し、当社の売買管理の状況について不公正取引の未然防止を図るための改善を行うことができる立場にあり、不適切なインターネット取引を行った顧客に対する注意喚起について報告を受けていたにもかかわらず、それによる顧客からの回答にかかる取引内容の検証などの指示を行わず放置している


 状況のまま業務を営んでいる。


 当該証券会社及び当該証券会社の役職員が行った上記行為は、証券取引法第43条第2号に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令(平成17年内閣府令第6号(平成17年4月1日施行)による改正前のもの。)第10条第10号に規定する「実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買取引の受託等を防止するための売買管理が十分でないと認められる状況」に該当する業務を営む行為に該当すると認められる。

 

 

 

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