塚本證券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

平成18年2月16日
証券取引等監視委員会



.勧告の内容
 近畿財務局長が塚本證券株式会社(大阪市中央区、資本金428百万円、役職員23名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社及びその役職員に、法令違反の事実が認められたので、平成18年2月16日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。





.事実関係

 

(1)

 有価証券の売買その他の取引等につき、生ずることとなる損失及び生じた損失を補てんすることを約束する行為並びに生じた損失を補てんするために財産上の利益を提供する行為

 塚本證券株式会社 第一営業部 元営業員(以下「元営業員」という。)は、その業務に関し、マル1平成13年9月14日頃、顧客の株価指数先物取引につき、同年7月6日及び9月13日の当該株価指数先物取引について生じた顧客の損失の全部を補てんすることを約束し、また、マル2同年9月26日頃、同顧客と、同年10月以降の上記取引について顧客に損失が生ずることとなった場合には、その全部を補てんすることを約束した。
 加えて、元営業員は、その業務に関し、マル3平成13年9月27日及び同14年6月21日、同顧客に対し、上記取引について生じた、損失補てんの約束に基づく顧客の損失の全部を補てんするため、顧客の証券口座及び銀行口座に入金する方法により、2,700千円の財産上の利益を提供し、また、同13年2月6日及び同月14日、別の顧客に対し、株式の売買につき、当該株式について生じた顧客の損失の一部を補てんするため、顧客の証券口座に入金する方法により、約1,463千円の財産上の利益を提供した。

 当該証券会社及び当該証券会社の使用人が行った上記マル2の行為は、証券取引法第42条の2第1項第1号に規定する「有価証券の売買その他の取引等につき、当該有価証券等について顧客に損失が生ずることとなった場合には、自己がその損失の全部を補てんする旨を当該顧客に対し約束する行為」に、マル1の行為は、同条同項第2号に規定する「有価証券の売買その他の取引等につき、自己が当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部を補てんする旨を当該顧客に対し約束する行為」に、マル3の行為は、同条同項第3号に規定する「有価証券の売買その他の取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補てんするため、当該顧客に対し財産上の利益を提供する行為」にそれぞれ該当すると認められる。


(2)


 証券会社の使用人による投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買その他の取引等をする行為

 元営業員は、平成7年12月11日から同14年4月25日までの間、顧客3名の口座を使用して、専ら投機的利益の追求を目的として、自己の計算に基づく株式売買、株価指数先物取引及び株価指数先物オプション取引(以下「株式売買等」という。)を多数回にわたり行ったほか、同12年11月17日から同14年5月22日までの間、顧客4名と損益を共にする専ら投機的利益の追求を目的とした、顧客の信用取引保証金等に基づく株式売買等を多数回にわたり行った。

 当該証券会社の使用人が行った上記行為は、証券取引法第42条第1項第9号(平成16年法律第97号による改正前のもの。同10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項第6号。)に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第5号(平成10年12月1日から同12年6月30日までの行為については、証券会社の行為規制等に関する命令第4条第5号、平成10年11月30日以前の行為については、同10年総理府令・大蔵省令第33号による改正前の証券会社の健全性の準則等に関する省令第2条第1項第5号。)に規定する「証券会社の使用人が、専ら投機的利益の追求を目的として有価証券の売買その他の取引等をする行為」に該当すると認められる。

 

 

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