エイチ・エス証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

平成18年5月23日
証券取引等監視委員会

.勧告の内容
 関東財務局長がエイチ・エス証券株式会社(東京都新宿区、資本金122億円、役職員203名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社及びその使用人に、法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。



.事実関係

 

 実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買取引の受託等を防止するための売買管理が十分でないと認められる状況

 

(1)

 エイチ・エス証券株式会社営業部長は、その業務に関し、寄付き前に、買い板を厚くする売り株数と買い株数が不均衡な成行きによる大口クロス取引注文(以下「変則クロス取引」という。)の受託について、担当営業員から報告を受けていたにもかかわらず、当該取引が株価へ及ぼす影響について全く問題意識を持っていなかったことから、営業責任者として顧客の売買動機の把握や注文の規制措置の検討などの日常的な売買管理を何ら行っていない、

(2)

 また、当時の内部管理統括責任者は、その業務に関し、当社の売買管理の状況について不公正取引の未然防止を図るための改善を行うことができる立場にあり、変則クロス取引について売買審査システムにより抽出していたにもかかわらず、当該取引が株価へ及ぼす影響について全く問題意識を持っていなかったことから取引内容の検討について部下への指示を行わず、更に、当該取引について東京証券取引所の調査などを受けたにもかかわらず、同様の認識から取引内容を十分検証しないまま取引停止等の措置を行うことなく当該取引の受託を継続している

 


 状況のまま業務を営んでいる。

 当該証券会社及び当該証券会社の使用人が行った上記行為は、証券取引法第43条第2号に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令(平成17年内閣府令第6号による改正前のもの。)第10条第10号に規定する「実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買取引の受託等を防止するための売買管理が十分でないと認められる状況」に該当する業務を営む行為に該当すると認められる。

 

 

 

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