日本インベスターズ証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

平成18年6月23日
証券取引等監視委員会

.勧告の内容
 関東財務局長が日本インベスターズ証券株式会社(東京都港区、資本金1,403百万円、役職員240名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社及び当該証券会社の役員に係る法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。


.事実関係
 
(1)  外国証券の取引に係る法定帳簿の不備

 日本インベスターズ証券株式会社は、平成13年7月10日を基準日とする関東財務局長による検査の結果、外国証券の取引に関し、証券取引法第188条に基づく証券会社に関する内閣府令(以下「府令」という。)第60条第1項に規定する法定帳簿(以下「法定帳簿」という。)について、マル1「顧客勘定元帳」及び「保護預り有価証券明細簿」の未作成、マル2「取引日記帳」の記載事項の一部欠如との指摘を受け、平成14年2月25日付で関東財務局 長に対し改善報告書を提出している。
 しかしながら、その改善状況を検証したところ、上記マル1について、当社は、外国証券の取引に係る法定帳簿である「顧客勘定元帳」及び「保護預り有価証券明細簿」を作成・保存しているが、当該法定帳簿の府令第60条第2項に基づく別表第8に定める記載事項(以下「必要記載事項」という。)については、その多くが欠如している。
 また、上記マル2について、当社は、外国証券の取引に係る法定帳簿である「取引日記帳」を作成・保存しているが、当該法定帳簿についても同様に必要記載事項の多くが欠如している。
 さらに、外国証券の取引に係る法定帳簿である「注文伝票」及び「取引残高報告書」についても同様に必要記載事項の多くが欠如している状況が認められた。

 当該証券会社が行った上記行為は、証券取引法第188条に違反すると認められる。

(2)

 外国証券の取引に関し、顧客に必要な情報を適切に通知していないと認められる状況

 日本インベスターズ証券株式会社は、外国証券の取引に係る法定帳簿である「取引残高報告書」を作成し、顧客に交付しているが、その必要記載事項の多くが欠如しており、顧客の取引に関し、顧客に必要な情報を適切に通知していない状況となっている。

 当該証券会社が行った上記行為は、証券取引法第43条第2号に基づく証券会社の行為規制府令第10条第7号に定める「証券会社が、顧客の有価証券の売買その他の取引等に関し、受渡状況その他の顧客に必要な情報を適切に通知していないと認められる状況」に該当する業務を営む行為に該当すると認められる。

(3)

 外国証券の取引に係る顧客分別金の信託漏れ

 日本インベスターズ証券株式会社専務取締役は、その業務に関し、外国証券に関する募集の取扱いを行うに当たり、顧客から預託を受けた募集等払込金について分別保管を行わないまま業務を継続していた。
このため、顧客分別金として信託すべき金額のうち、当該募集等払込金に係る金額の算入が漏れており、検査基準日現在において約74百万円の顧客分別金信託額の不足が認められた。

 当該証券会社及び当該証券会社の役員が行った上記行為は、証券取引法第47条第3項に違反すると認められる。
 

 

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