1 | .昨日、英国金融サービス機構(The UK Financial Services Authority、以下「英国FSA」という。)は、英国ヘッジファンドのGLG Partners LP(以下「GLG」という。)及びGLGの元役員(以下「当該元役員」という。)(注)が日本の証券市場において行った不公正取引に関し、当該行為が英国金融サービス市場法に規定する市場における不正行為に該当し、英国認可業者に係る業務原則等に違反することが判明したとして、GLG及び当該元役員に対して制裁金(Financial Penalty)を課した旨、発表した。 本件は、外国に居住する者が、我が国証券市場において不公正取引を行ったものであるが、当証券取引等監視委員会(以下「当委員会」という。)が情報を把握した後、英国FSAと緊密な連携を取った結果、今般の英国FSAによる処分に至ったものである。 |
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2 |
.事案の概要は、以下の通りである。 (株)三井住友フィナンシャルグループ(以下「SMFG」という。)は、平成15年2月17日の立会取引開始時間前に、3,000億円以上の規模で優先株式を発行することを公表したが、GLGの当該元役員は上記情報を事前に入手し、同月12日から14日にかけて、上記情報を利用して、SMFG株式の売付けを行い、利得を得た。 これに対して英国FSAは、GLG及び当該元役員の行為が、英国法令に違反するとして、GLG及び当該元役員に対して制裁金を課したものであり、それぞれが英国FSAに支払う制裁金額及び当該役職員の氏名については、以下のとおり。 |
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.当委員会としては、今回の英国FSAの協力に感謝するとともに、引き続き英国FSAとの緊密な連携に努めて参りたい。 なお、本件は、平成16年にシンガポール通貨監督庁が、当委員会が把握した情報に基づき、我が国証券市場において内部者取引を行ったことを理由に、シンガポール政府投資公社の従業員3名に対して制裁金を課した事例と同様、クロスボーダー取引における違法行為に対する国際的な証券規制当局間の協力の結果であり、今後ともこうした国際的な協力を推進して参りたいと考えている。 |
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