物価連動型米国債の約定処理に係る忠実義務違反 安田投信投資顧問株式会社は、自社で設定をし、その運用を外部委託している投資信託(以下「本件投資信託」という。)において、当該外部委託先が、平成17年9月28日、本件投資信託の信託財産として物価連動型米国債を買い付けた際に、受託事務を取り仕切る再委託先の信託銀行において当該債券を投資信託協会が規定する方法で計理処理できないことが判明したことから、同年10月5日、当該債券の買付けをキャンセルするよう運用の外部委託先に対して指示した。当該指示を受けて、同日、当該外部委託先が当該債券の反対売買を行い、その結果、12,578.12米ドルの売却損が生じたところ、当社は、同年12月27日になって、自社において補てんすべきであった当該損失をあえて本件投資信託における損失として計上し、その結果、本件投資信託を主要な投資対象としている投資信託の受益者に相応の損失を被らせた。 当社による上記行為は、「投資信託委託業者は、委託者指図型投資信託の受益者のため忠実に当該委託者指図型投資信託の信託財産の運用の指図その他の業務を遂行しなければならない」と規定する投資信託及び投資法人に関する法律第14条第1項に違反するものと認められる。 |