KOBE証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

平成18年12月19日
証券取引等監視委員会

.勧告の内容

 証券取引等監視委員会は、KOBE証券株式会社(大阪市北区、資本金59.5億円、役職員226名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社の使用人に係る法令違反の事実及び当該証券会社の役員に係る外務員の職務に関する著しく不適当な行為の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、適切な措置を講ずるよう勧告した。


.事実関係
 

(1)

 証券会社の職員による投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買

 KOBE証券株式会社 第三営業本部長(当時)は、平成15年11月14日、妻が唯一の取締役を務める有限会社の名義で当社に証券取引口座を開設した上で、平成15年11月17日から平成17年6月14日までの間、当該口座を利用して、自ら銘柄、株数、価格及び売買の別を決定し、当該決定に基づく注文を当社の担当者に対して発注することにより、専ら投機的利益の追求を目的として株式の売買を行った。

 当該使用人が行った上記行為は、証券取引法第42条第1項第10号(平成17年4月1日以降の行為について。なお、平成17年3月31日以前の行為については、平成16年法律第97号による改正前の同法第42条第1項第9号。)に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第5号に規定する「証券会社の使用人が、専ら投機的利益の追求を目的として有価証券の売買その他の取引等をする行為」に該当するものと認められる。

(2)

 社内規則で定められた配分禁止顧客への新規公開株式の配分

 KOBE証券株式会社 代表取締役社長(当時)は、平成16年3月、当社が主幹事会社としてその新規公開に関与した株式会社の新規公開株式について、当社における配分上限株式数である10株を、社内規則により配分が禁止されていた当該役員の親族である同人の妻の姉に対して配分するよう、当該妻の姉を担当していた当社の営業員に指示し、当該妻の姉をして同株式10株を取得させた。また、当該役員は、平成16年3月、当該新規公開株式10株を、妻の父に対して配分するよう、当該妻の父を担当していた当社の営業員に指示し、当該妻の父をして同株式10株を取得させた。

 当該役員が行った上記行為は、新規公開株式等の公平な配分を目的として設けられた日本証券業協会平成9年8月8日付理事会決議「株券等の募集等の引受け等に係る顧客への配分について」中の「会員は、引受けを行った株券等の配分に関して、配分禁止顧客等について規定した社内規則を遵守す」べき旨の規定(同決議3.(1)(平成16年3月当時))に違反するものと認められる。また、上記行為は、当該役員の役職、当該新規公開株式の配分先等からして、証券取引法第64条の5第1項第2号に規定する「外務員の職務に関する著しく不適当な行為」に該当するものと認められる。
 

 

 

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