日本ファースト証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

平成18年12月22日
証券取引等監視委員会

.勧告の内容
 関東財務局長が日本ファースト証券株式会社(東京都中央区、資本金26億円、役職員298名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社及び当該証券会社の使用人に、法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。


.事実関係
 
(1)  取引一任勘定取引の受託契約等を締結する行為
 日本ファースト証券株式会社は、平成17年7月1日から同18年3月17日までの間、顧客26名との間で、外国為替証拠金取引(以下「FX取引」という。)の受託につき、取引対象通貨、取引の数量、約定数値、売買の別及び既に成立している取引を期限前に決済することについて、顧客の同意を得ないで定めることができることを内容とする受託契約を締結した上で、平成17年7月1日から同18年4月28日までの間、取引を執行した。
 金融先物取引法の一部を改正する法律(平成16年法律第159号)附則第2条第1項によって当該証券会社が行った上記契約の締結行為は、同法附則第2条第2項において適用する金融先物取引法第76条第3号に規定する「取引の数量、約定数値その他の内閣府令で定める事項について、顧客の同意を得ないで定めることができることを内容とする受託契約等を締結すること」に該当すると認められる。

(2)

 不招請勧誘等
 
マル1  日本ファースト証券株式会社は、平成17年8月25日から同18年3月13日までの間、FX取引の受託等を内容とする契約(以下「受託契約等」という。)の締結の勧誘の要請をしていない顧客16名に対し訪問し又は電話をかけて、受託契約等の締結の勧誘を行った。
マル2  また、当社は、平成17年9月5日から同年11月4日までの間、受託契約等を締結しない旨の意思を表示した顧客1名に対し訪問し又は電話をかけて、受託契約等の締結の勧誘を、継続して複数回行った。
    金融先物取引法の一部を改正する法律附則第2条第1項によって当該証券会社が行った、上記マル1の行為は同法附則第2条第2項において適用する金融先物取引法第76条第4号に規定する「受託契約等の締結の勧誘の要請をしていない一般顧客に対し、訪問し又は電話をかけて、受託契約等の締結を勧誘すること」に該当し、上記マル2の行為は同法第76条第5号に規定する「受託契約等の締結の勧誘を受けた顧客が当該受託契約等を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続すること」に該当すると認められる。

(3)

 届出されていないみなし有価証券を募集により取得させる行為
  日本ファースト証券株式会社は、平成18年2月1日から同年3月31日までの間、証券取引法第2条第2項の規定により有価証券とみなされる同項第3号に定める匿名組合契約に基づく権利(以下「当該みなし有価証券」という。)の取得の申込みの勧誘を行っている。
 当該みなし有価証券の発行者は、当該みなし有価証券について、少人数私募により行うため証券取引法第4条第1項に基づく内閣総理大臣に対する届出をしていなかったが、当社元社長室室長(平成18年7月執行役員事業企画本部長に就任。)は、その業務に関し、名古屋及び大阪支店の営業員に指示し、少なくとも95名の個人顧客等を相手方として、訪問により商品概要及び申込み手順について詳細に記載したパンフレットを交付するなどして当該みなし有価証券の勧誘を行い、両支店で計15名の顧客に対して27口を取得させ、27百万円の払込みを受けていたことが認められた。
 当該証券会社及び当該証券会社の使用人が行った上記の行為は、証券取引法第15条第1項に違反すると認められる。
 

 

 

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