アヴァロン湘南証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

平成21年3月27日

証券取引等監視委員会


  • 1.勧告の内容

    関東財務局長がアヴァロン湘南証券株式会社(東京都渋谷区、資本金308百万円、役職員18名)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • ○ 金融商品仲介業者の法令違反行為を防止するための措置が十分でないと認められる状況、及び、特定同意注文に基づく取引を行う場合の十分な社内管理体制を整備していない状況

      • (1) 金融商品仲介業者の法令違反行為を防止するための措置が十分でないと認められる状況

        アヴァロン湘南証券株式会社(以下「当社」という。)は、平成19年12月24日、ユウキャピタルマネジメント株式会社(以下「ユウキャピタル」という。)との間で、金融商品仲介業に係る業務委託契約を締結し、同社に金融商品仲介行為を委託している。

        しかしながら、当社においては、ユウキャピタルに対し、法令違反行為を防止するための各種研修や監査等といった、金融商品仲介業者に法令遵守意識の徹底を求めるための措置を何ら講じておらず、また、ユウキャピタルが顧客から受託した取引は同社が管理するものであるとして、同社の投資勧誘や営業状況の実態把握・検証等を全く行っていないなど、金融商品仲介業者の法令違反行為を防止するための措置が十分に講じられていない状況にあると認められる。

      • (2) 特定同意注文に基づく取引を行う場合の十分な社内管理体制を整備していない状況

        当社は、平成19年12月25日、ユウキャピタルの勧誘・仲介により、顧客4名との間で、日経平均株価指数オプション取引に関して、売買の別、銘柄及び数について同意を得た上で、価格については特定同意(当該同意の時点における相場又は当該同意の直近の時点における相場を考慮して何円以上又は何円以下という幅を持たせた同意。以下同じ。)の範囲内で当社が定めることができることを内容とする契約を締結した。

        しかしながら、当社は、当該特定同意注文に基づく取引を行うに当たり、その関係法令等の確認等を行っておらず、また、仲介の委託をしたユウキャピタルが自らの判断で当該取引を受託・執行するという法令違反行為に及んでいるにもかかわらず、これについては同社が管理するものであるとして、その取引の実態を何ら把握・管理をしていないなどの状況にあり、顧客の注文内容が誠実に執行できるような体制や、執行状況の検証あるいはモニタリング体制等が整備されていないなど、適切な体制の整備や法令遵守の徹底等がなされておらず、十分な社内管理体制があらかじめ整備されていない状況にあると認められる。

        当該金融商品取引業者における上記(1)の業務の状況は、金融商品取引法第40条第2号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第15号に規定する「委託を行った金融商品仲介業者の金融商品仲介業に係る法令に違反する行為を防止するための措置が十分でないと認められる状況」に該当するものと認められる。

        また、同(2)の業務の状況は、金融商品取引法第40条第2号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第13号に規定する、金融商品取引業者が第一種金融商品取引業として特定同意注文に基づく取引を行う場合において、「当該行為が投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業等の信用を失墜させることとなることを防止するため十分な社内管理体制をあらかじめ整備していない状況」に該当するものと認められる。

 

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