平成21年10月16日
証券取引等監視委員会
EBANCO HOLDINGS LIMITEDによる新株予約権証券の買付けに係る公開買付開始公告の不実施に対する課徴金納付命令勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、EBANCO HOLDINGS LIMITED(本店所在地:英領バージン諸島)による株券等の買付けについて検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
2.法令違反の事実関係
EBANCO HOLDINGS LIMITEDは、平成21年3月25日、その発行する株券がジャスダック証券取引所に上場されている株式会社サハダイヤモンドの発行した新株予約権証券(株式会社サハダイヤモンド第8回新株予約権)9,582個を買付価額3,000万円で取引所金融商品市場外において買い付けるに当たり、当該買付け後の株券等所有割合が97.38パーセントとなり、かつ、法定の除外事由がないことから、当該買付けは公開買付けによらなければならず、公開買付開始公告をしなければならないものであったにもかかわらず、これを行わないで、当該買付けをしたものである。
同法人が行った上記の行為は、金融商品取引法第172条の5に規定する「第27条の3第1項の規定に違反して、公開買付開始公告を行わないで株券等の買付け等をした」行為に該当すると認められる。
3.課徴金の額の計算
上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、750万円である。
金融商品取引法第172条の5の規定により、公開買付開始公告を行わないでした株券等の買付け等の価格に当該買付け等の数量を乗じて得た額の100分の25に相当する額が課徴金の額となることから,
(30,000,000/9,582)×9,582×25/100=7,500,000円
となる。