平成21年10月16日

証券取引等監視委員会

ビー・エヌ・ピー・パリバ・セキュリティーズ(ジャパン)リミテッドに対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会が、ビー・エヌ・ピー・パリバ・セキュリティーズ(ジャパン)リミテッド(東京都千代田区、持込資本金795億円、役職員605名)を検査した結果、当該金融商品取引業者及び当該金融商品取引業者の使用人に係る法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • (1) 報告徴取命令に対する対応の不備

      ビー・エヌ・ピー・パリバ・セキュリティーズ(ジャパン)リミテッド東京支店(以下「当支店」という。)は、平成20年11月28日付で金融庁長官から、「不適切な業務運営を看過するなど、経営管理態勢・内部管理態勢に重大な欠陥があると認められる状況」に該当するとして、行政処分(以下「本件行政処分」という。)を受けている。本件行政処分においては、当支店が「契約の履行過程の一部として、機械的に当該顧客の発行する株式の取引を行った」ことが、金融商品取引法第38条第6号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第16号に規定する「法人関係情報に基づいて、自己の計算において当該法人関係情報に係る有価証券の売買その他の取引等をする行為」に該当すると認定されている。こうした事実認定は、金融商品取引法第56条の2に基づく金融庁長官の報告徴取命令を受けて、本件行政処分に先立ち当支店が提出した報告書の記載内容が、重要な要素となっている。

      しかしながら、今回検査において、当該報告書に関する検証を行ったところ、(1) 当該報告書の記載内容に不足及び事実に反する記載があること、(2) 当支店は、調査・検証が不十分なまま当該報告書を作成し、これを提出していたことが認められた。また、(3) 本件行政処分において、「法人関係情報に基づいて、自己の計算において当該法人関係情報に係る有価証券の売買その他の取引等をする行為」に該当すると認定された取引のうちには、「契約の履行過程の一部として、機械的に当該顧客の発行する株式の取引を行った」ものとは認められない取引が認められた。

      当支店が行った上記行為は、金融商品取引法第56条の2に基づく金融庁長官の報告徴取命令に違反しており、かかる当支店の行為は、同法第52条第1項第6号に規定する「金融商品取引業に関し法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に該当するものと認められる。

    • (2) 特定の上場金融商品の相場を固定させる目的をもって、買付けの申込み等を行う行為

      当支店株式オプション部トレーダーは、その業務に関し、平成20年11月5日、特定の上場銘柄の株式について、ストップ高買い気配に固定させる目的をもって、大引け間際に、ストップ高の1円下の指値及びストップ高となる指値での大量の買付注文を行い、当該銘柄の株価を固定させた。

      当支店及び当支店株式オプション部トレーダーが行った上記行為は、金融商品取引法第38条第6号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第19号に規定する「取引所金融商品市場における上場金融商品等若しくは店頭売買有価証券市場における店頭売買有価証券の相場若しくは相場若しくは取引高に基づいて算出した数値を変動させ、若しくはくぎ付けし、固定し、若しくは安定させ、又は取引高を増加させる目的をもって、当該上場金融商品等若しくは当該店頭売買有価証券に係る買付け若しくは売付け若しくはデリバティブ取引又はこれらの申込み若しくは委託等をする行為」に該当するものと認められる。

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