平成21年10月30日

証券取引等監視委員会

オリエンタル白石株式会社社員らによる内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、オリエンタル白石株式会社社員らによる内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    • (1) オリエンタル白石株式会社社員

      課徴金納付命令対象者マル1は、オリエンタル白石株式会社(以下「オリエンタル白石」という。)の社員であったが、同社が更生手続開始の申立てを行うことを決定した事実(以下「本件重要事実」という。)をその職務に関し知り、この事実が公表された平成20年11月26日午後5時30分より前の同日に、オリエンタル白石の株券合計1万2,000株を売付価額131万9,400円で売り付けたものである。

      課徴金納付命令対象者マル2は、オリエンタル白石の社員であったが、本件重要事実をその職務に関し知り、この事実が公表された平成20年11月26日午後5時30分より前の同日に、オリエンタル白石の株券合計2,000株を売付価額24万2,700円で売り付けたものである。

      課徴金納付命令対象者マル3は、オリエンタル白石の社員であったが、本件重要事実をその職務に関し知り、この事実が公表された平成20年11月26日午後5時30分より前の同日に、オリエンタル白石の株券1,200株を売付価額15万円で売り付けたものである。

    • (2) オリエンタル白石社員からの情報受領者

      課徴金納付命令対象者マル4は、オリエンタル白石の社員から、同人がその職務に関し知った本件重要事実の伝達を受け、この事実が公表された平成20年11月26日午後5時30分より前の同日に、オリエンタル白石の株券6,300株を売付価額78万7,500円で売り付けたものである。

      課徴金納付命令対象者マル5は、オリエンタル白石の社員から、同人がその職務に関し知った本件重要事実の伝達を受け、この事実が公表された平成20年11月26日午後5時30分より前の同日に、オリエンタル白石の株券4,400株を売付価額55万円で売り付けたものである。

    • (3) オリエンタル白石の契約締結先社員からの情報受領者(信用調査会社社員)

      課徴金納付命令対象者マル6は、オリエンタル白石とのリース契約の契約締結先の社員がその契約の履行に関し知り、同社の従業者(以下「契約先の従業者」という。)が職務上知り、その後、課徴金納付命令対象者マル6の勤務先の社員が職務上契約先の従業者から伝達を受けた本件重要事実を、その職務に関し知り、この事実が公表された平成20年11月26日午後5時30分より前の同日に、オリエンタル白石の株券合計3万株を売付価額326万8,800円で売り付けたものである。

    • (4) オリエンタル白石の契約締結先役員からの情報受領者

      課徴金納付命令対象者マル7は、オリエンタル白石との工事請負契約の契約締結先の役員から、同人がその契約の履行に関して知った本件重要事実の伝達を受け、この事実が公表された平成20年11月26日午後5時30分より前の同日に、オリエンタル白石の株券合計2万5,000株を売付価額307万1,200円で売り付けたものである。

    上記7名が行った上記の行為は、金融商品取引法(平成20年法律第65号による改正前のもの。以下「旧金融商品取引法」という。)第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、自己の計算において同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金額は下記のとおり。

    課徴金納付命令対象者マル1  61万円

    課徴金納付命令対象者マル2  12万円

    課徴金納付命令対象者マル3   7万円

    課徴金納付命令対象者マル4  41万円

    課徴金納付命令対象者マル5  29万円

    課徴金納付命令対象者マル6 149万円

    課徴金納付命令対象者マル7 159万円

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。


(別紙)

○ 課徴金の額の計算方法について

  • 旧金融商品取引法第175条第1項に基づき、課徴金の額は、

    • (売付価格)×(売付株数)-(重要事実が公表された翌日の終値等)×(売付株数)

    となる。

    したがって、重要事実の公表翌日の平成20年11月27日のオリエンタル白石株式会社の株価の終値は、59円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。

    課徴金納付命令対象者マル1

    売付価額1,319,400円(注)-(59円×12,000株)=611,400円

    ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、61万円

    • (注)売付価額は、







      105円×3,800株 109円×200株







      の合計額である。
      110円×3,300株 111円×1,200株
      112円×700株 113円×500株
      115円×300株 116円×1,000株
      117円×1,000株  
  • 課徴金納付命令対象者マル2

    売付価額242,700円(注)-(59円×2,000株)=124,700円

    ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、12万円

    (注)売付価額は、121円×1,300株、122円×700株 の合計額である。

    課徴金納付命令対象者マル3

    売付価額150,000円(125円×1,200株)-(59円×1,200株)=79,200円

    ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、7万円

    課徴金納付命令対象者マル4

    売付価額787,500円(125円×6,300株)-(59円×6,300株)=415,800円

    ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、41万円

    課徴金納付命令対象者マル5

    売付価額550,000円(125円×4,400株)-(59円×4,400株)=290,400円

    ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、29万円

    課徴金納付命令対象者マル6

    売付価額3,268,800円(注)-(59円×30,000株)=1,498,800円

    ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、149万円

    • (注)売付価額は、




      106円×300株 107円×9,900株




      の合計額である。
      108円×5,600株 109円×4,100株
      110円×5,100株 113円×5,000株
  • 課徴金納付命令対象者マル7

    • 売付価額3,071,200円(注)-(59円×25,000株)=1,596,200円

    ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、159万円

    • (注)売付価額は、




      108円×700株 109円×2,100株




      の合計額である。
      110円×300株 123円×1,900株
      125円×20,000株  

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