平成21年12月15日

証券取引等監視委員会

株式会社日立製作所社員からの情報受領者による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社日立製作所社員からの情報受領者による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者は、

    • マル1 日本電産株式会社との公開買付けの応募に関する合意に係る契約の締結交渉先の株式会社日立製作所の社員から、同人がその契約の締結の交渉に関し知った、日本電産株式会社が日本サーボ株式会社(現日本電産サーボ株式会社)の株券の公開買付けを行うことを決定した事実の伝達を受け、この事実が公表された平成19年3月13日より前の同月12日に、同株券合計2万5,000株を、自己の計算において、買付価額495万円で買い付けた。

      課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、自己の計算において同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等又は同項に規定する株券等に係る売付け等をした」行為に該当すると認められる。

    • マル2 株式会社日立製作所の社員から、同人がその職務に関し知った、株式会社日立製作所が日立工機株式会社の株券の公開買付けを行うことを決定した事実の伝達を受け、この事実が公表された平成21年1月15日より前の同月14日に、同株券合計5,000株を、自己の計算において、買付価額372万4,000円で買い付け、

    • マル3 株式会社日立製作所の社員から、同人がその職務に関し知った、株式会社日立製作所が株式会社日立国際電気の株券の公開買付けを行うことを決定した事実の伝達を受け、この事実が公表された平成21年1月15日より前の同月14日に、同株券1万1,000株を、自己の計算において、買付価額484万円で買い付けた。

      課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等又は同項に規定する株券等に係る売付け等をした」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、752万円である。

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。


(別紙)

○ 課徴金の額の計算方法について

  • (1) 日本サーボ株式会社の株券の買付けに係る課徴金の額

    • 旧金融商品取引法第175条第2項に基づき、課徴金の額は、

      (公開買付けの実施に関する事実が公表された翌日の終値等)×(買付株数)-(買付価格)×(買付株数)

    となる。

    したがって、公開買付けの実施に関する事実の公表翌日の平成19年3月14日の日本サーボ株式会社の株価の終値は、362円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。

    (362円×25,000株)-買付価額4,950,000円(198円×25,000株)=4,100,000円

  • (2) 日立工機株式会社及び株式会社日立国際電気の株券の買付けに係る課徴金の額

    • 金融商品取引法第175条第2項に基づき、課徴金の額は、

      (公開買付けの実施に関する事実が公表された後2週間における最も高い価格)×(買付株数)-(買付価格)×(買付株数)

    となる。

    したがって、

    • マル1 公開買付けの実施に関する事実の公表後2週間における日立工機株式会社の最も高い株価は、平成21年1月19日の1,042円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。

      (1,042円×5,000株)-買付価額3,724,000円(注)=1,486,000円

      ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、148万円

      (注)買付価額は、743円×500株、745円×4,500株 の合計額である。

    • マル2 公開買付けの実施に関する事実の公表後2週間における株式会社日立国際電気の最も高い株価は、平成21年1月16日の617円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。

      (617円×11,000株)-買付価額4,840,000円(440円×11,000株)=1,947,000円

      ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、194万円

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