平成21年12月15日
証券取引等監視委員会
株式会社アリサカ社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、株式会社アリサカ社員による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
2.法令違反の事実関係
課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社アリサカ(以下「アリサカ」という。)の社員であったが、アリサカにおいて複数年度に亘る不適切な会計処理が判明した旨の同社の運営、業務又は財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす事実(以下「本件重要事実」という。)をその職務に関し知り、この事実が公表された平成20年5月27日より前の同月16日に、アリサカの株券合計2,000株を売付価額60万4,200円で売り付けたものである。
課徴金納付命令対象者(2)は、アリサカの社員であったが、本件重要事実をその職務に関し知り、この事実が公表された平成20年5月27日より前の同月16日に、アリサカの株券合計500株を売付価額15万1,700円で売り付けたものである。
上記2名が行った上記の行為は、金融商品取引法(平成20年法律第65号による改正前のもの。以下「旧金融商品取引法」という。)第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、自己の計算において同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
3.課徴金の額の計算
上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金額は下記のとおり。
課徴金納付命令対象者(1)31万円
課徴金納付命令対象者(2)8万円
計算方法の詳細については、別紙のとおり。
(別紙)
○ 課徴金の額の計算方法について
旧金融商品取引法第175条第1項に基づき、課徴金の額は、
(売付価格)×(売付株数)-(重要事実が公表された翌日の終値等)×(売付株数)
となる。
したがって、重要事実の公表翌日の平成20年5月28日の株式会社アリサカの株価の終値は、143円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。
課徴金納付命令対象者(1)
売付価額604,200円(注)-(143円×2,000株)=318,200円
⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、31万円
(注)売付価額は、302円×1,800株、303円×200株 の合計額である。
課徴金納付命令対象者(2)
売付価額151,700円(注)-(143円×500株)=80,200円
⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、8万円
(注)売付価額は、302円×100株、303円×100株、304円×300株 の合計額である。