平成22年1月19日

証券取引等監視委員会

アール・ビー・エス・セキュリティーズ・ジャパン・リミテッド(アール・ビー・エス証券会社東京支店)に対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会が、アール・ビー・エス・セキュリティーズ・ジャパン・リミテッド(アール・ビー・エス証券会社東京支店 東京都千代田区、持込資本金649億円、役職員236名。以下「当社」という。)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者及びその使用人に係る法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • ○ 損失補てん

      当社金融商品営業部長及び株式派生商品営業部長は、その業務に関し、平成20年9月頃、顧客に対して、他社株転換社債(以下「本件EB債」という。)を販売するに際して、顧客が第三者に対して販売できず、残りが生じた場合には、当該残りを販売時の価格と同値で買い戻す旨の約束をしていた(以下「本件約束」という。)ところ、エクイティ本部ストラクチャード・プロダクツ営業部長及び株式派生商品営業部長は、同年10月に、顧客から本件EB債について残りが生じたとの連絡を受けたため、顧客に対して販売した本件EB債の時価が下落しているにもかかわらず、本件EB債の一部を、販売時と同値で買い戻す方法により、本件EB債取引に係る顧客の損失について、約6800万円の財産上の利益を提供した(以下「本件提供」という。)。

      当該金融商品取引業者及びその使用人が行った上記の行為のうち、本件約束については、金融商品取引法第39条第1項第1号に規定する「有価証券の売買その他の取引(買戻価格があらかじめ定められている買戻条件付売買その他の政令で定める取引を除く。)又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券売買取引等」という。)につき、当該有価証券又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券等」という。)について顧客(信託会社等(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)が、信託契約に基づいて信託をする者の計算において、有価証券の売買又はデリバティブ取引を行う場合にあっては、当該信託をする者を含む。以下この条において同じ。)に損失が生ずることとなり、又はあらかじめ定めた額の利益が生じないこととなった場合には自己又は第三者がその全部又は一部を補てんし、又は補足するため当該顧客又は第三者に財産上の利益を提供する旨を、当該顧客又はその指定した者に対し、申し込み、若しくは約束し、又は第三者に申し込ませ、若しくは約束させる行為」に該当すると認められる。

      また、上記行為のうち、本件提供については、金融商品取引法第39条第1項第3号に規定する「有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補てんし、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客に対し、財産上の利益を提供する行為」に該当すると認められる。

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