平成22年3月12日
証券取引等監視委員会
モジュレ株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、モジュレ株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
2.法令違反の事実関係
モジュレ株式会社は、関東財務局長に対し、下表のとおり、平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項及び第2項並びに金融商品取引法第172条の4第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。
番
号有価証券報告書等 虚偽記載 提出日 書類 会計期間 財務計算に
関する書類内容(注) 事由 1 平成20年
8月28日第9期事業年度会計期間に係る有価証券報告書(平成20年5月期有価証券報告書) 平成19年6月1日~平成20年5月31日の会計期間 損益計算書 - 経常損益が46百万円であるところを102百万円と記載
- 当期純損益が1百万円であるところを61百万円と記載
貸倒引当金の過少計上等 2 平成20年
10月14日第10期事業年度第1四半期会計期間に係る四半期報告書(平成20年8月第1四半期四半期報告書) 平成20年6月1日~平成20年8月31日の第1四半期累計期間 四半期
損益計算書- 経常損益が▲144百万円であるところを▲26百万円と記載
- 四半期純損益が▲144百万円であるところを▲16百万円と記載
貸倒引当金の過少計上等 平成20年6月1日~平成20年8月31日の第1四半期会計期間 四半期
貸借対照表純資産額が417百万円であるところを606百万円と記載 3 平成21年
1月14日第10期事業年度第2四半期会計期間に係る四半期報告書(平成20年11月第2四半期四半期報告書) 平成20年6月1日~平成20年11月30日の第2四半期累計期間 四半期
損益計算書- 経常損益が▲215百万円であるところを▲96百万円と記載
- 四半期純損益が▲261百万円であるところを▲144百万円と記載
貸倒引当金の過少計上等 平成20年9月1日~平成20年11月30日の第2四半期会計期間 四半期
貸借対照表純資産額が295百万円であるところを473百万円と記載 4 平成21年
4月14日第10期事業年度第3四半期会計期間に係る四半期報告書(平成21年2月第3四半期四半期報告書) 平成20年6月1日~平成21年2月28日の第3四半期累計期間 四半期
損益計算書- 経常損益が▲271百万円であるところを▲166百万円と記載
- 四半期純損益が▲440百万円であるところを▲337百万円と記載
貸倒引当金の過少計上等 平成20年12月1日~平成21年2月28日の第3四半期会計期間 四半期
貸借対照表純資産額が119百万円であるところを281百万円と記載 5 平成21年
8月27日第10期事業年度会計期間に係る有価証券報告書(平成21年5月期有価証券報告書) 平成20年6月1日~平成21年5月31日の会計期間 損益計算書 - 経常損益が▲241百万円であるところを▲145百万円と記載
- 当期純損益が▲459百万円であるところを▲366百万円と記載
貸倒引当金の過少計上等 貸借対照表 純資産額が99百万円であるところを253百万円と記載 6 平成21年
10月14日第11期事業年度第1四半期会計期間に係る四半期報告書(平成21年8月第1四半期四半期報告書) 平成21年6月1日~平成21年8月31日の第1四半期会計期間 四半期
貸借対照表純資産額が118百万円であるところを262百万円と記載 貸倒引当金の過少計上等 (注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示している。
3.課徴金の額の計算
上記の違法行為に対し旧金融商品取引法及び金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、900万円である。
(1) 旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成20年5月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、
当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(30,305円)
が
3,000,000円
を超えないことから、3,000,000円となる。
(2) 旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成20年8月第1四半期四半期報告書、平成20年11月第2四半期四半期報告書、平成21年2月第3四半期四半期報告書及び平成21年5月期有価証券報告書に係る課徴金の額について、個別決定ごとの算出額は、
当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(11,368円)
が
3,000,000円
を超えないことから、
平成20年8月第1四半期四半期報告書については、1,500,000円
平成20年11月第2四半期四半期報告書については、1,500,000円
平成21年2月第3四半期四半期報告書については、1,500,000円
平成21年5月期有価証券報告書については、3,000,000円
となる。
ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。
平成20年8月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は600,000円
平成20年11月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は600,000円
平成21年2月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は600,000円
平成21年5月期有価証券報告書に係る課徴金の額は1,200,000円
(3) 金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、平成21年8月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、
当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(13,398円)
が
6,000,000円
を超えないことから、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円となる。