平成22年4月13日
証券取引等監視委員会
株式会社リンク・ワンに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、株式会社リンク・ワンに係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
2.法令違反の事実関係
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(1) 株式会社リンク・ワンは、関東財務局長に対し、下表のとおり、金融商品取引法(平成20年法律第65号による改正前のもの。以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項又は第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。
番号 有価証券報告書等 虚偽記載 提出日 書類 会計期間 財務計算に
関する書類内容(注) 事由 1 平成18年
1月31日第5期事業年度中間連結会計期間に係る半期報告書(平成17年10月中間期半期報告書) 平成17年5月1日~平成17年10月31日の中間連結会計期間 中間連結損益計算書 連結経常損益が▲372百万円であるところを30百万円と記載
連結中間純損益が▲533百万円であるところを4百万円と記載売上の過大計上等 中間連結貸借対照表 連結純資産額に相当する「資本合計」欄が700百万円であるところを1,238百万円と記載 2 平成18年
7月31日第5期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成18年4月期有価証券報告書) 平成17年5月1日~平成18年4月30日の連結会計期間 連結損益計算書 連結経常損益が▲314百万円であるところを251百万円と記載
連結当期純損益が▲592百万円であるところを73百万円と記載売上の過大計上等 連結貸借対照表 連結純資産額に相当する「資本合計」欄が641百万円であるところを1,307百万円と記載 3 平成19年
1月31日第6期事業年度中間連結会計期間に係る半期報告書(平成18年10月中間期半期報告書) 平成18年5月1日~平成18年10月31日の中間連結会計期間 中間連結貸借対照表 連結純資産額が▲115百万円であるところを50百万円と記載 売上の過大計上等 (注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損益計算書では損失であることを、貸借対照表では債務超過であることを示す。
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(2) 株式会社リンク・ワンは、関東財務局長に対し、平成19年3月23日、平成18年4月期有価証券報告書及び平成18年10月中間期半期報告書を組込情報とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、平成19年4月9日、11,600株の株券を1,508,000,000円で取得させた。
同社が行った上記の行為は、旧金融商品取引法第172条第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。
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3.課徴金の額の計算
上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、3,466万円である。
(1) 旧金融商品取引法第172条の2第1項又は第2項の規定により、平成17年10月中間期半期報告書及び平成18年4月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は
当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(151,187円)
が
3,000,000円
を超えないことから、
同半期報告書については、1,500,000円
同有価証券報告書については、3,000,000円
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平成17年10月中間期半期報告書に係る課徴金の額は
1,000,000円
平成18年4月期有価証券報告書に係る課徴金の額は
2,000,000円
(2) 旧金融商品取引法第172条の2第2項の規定により、平成18年10月中間期半期報告書に係る課徴金の額は、
当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(75,331円)
が
3,000,000円
を超えないことから、1,500,000円となる。
(3) 旧金融商品取引法第172条第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の2に相当する額が課徴金の額となることから、
平成19年3月23日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、
1,508,000,000円×2/100=30,160,000円
となる。
となる。
ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。