平成22年9月22日

証券取引等監視委員会

ソーシャル・イノベーション株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    関東財務局長がソーシャル・イノベーション株式会社(東京都港区、資本金10百万円、役職員5名、投資助言・代理業、適格機関投資家等特例業務)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • ○ 集団投資スキーム持分の私募及び運用において、公益及び投資者保護上、重大な法令違反行為等が認められる状況

    • ソーシャル・イノベーション株式会社(以下「当社」という。)は、平成20年3月に、関東財務局長へ適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)の届出を行い、特例業務として自らを営業者等とし、主に外国で発行される有価証券に投資する事業を行う9本の匿名組合契約等 (以下「ファンド」という。)の出資持分の私募(以下「自己私募」という。)及び運用(以下「自己運用」という。)を行っているとしている。

    • (1) ファンドの出資持分の自己私募及び自己運用に係る無登録営業等

      当社は、自らを営業者等とする9本全てのファンドについて、当該ファンドの設立以来、適格機関投資家からの出資がないまま、当該ファンドの出資持分の自己私募及び自己運用を行っている。

      したがって、当社が行った自己私募及び自己運用は、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第63条第1項第1号及び第2号に規定する特例業務に該当しないことから、登録が必要な第二種金融商品取引業及び投資運用業に該当すると認められる。

      また、当社は、9本全てのファンドについて、主に有価証券で自己運用するとしているが、実際には、ファンド資産のうち有価証券で運用されているものはごく一部であり、大半のファンド資産は、当社の運転資金及び当社代表取締役等への貸付等に費消・流用されていた。

      更に、9本のファンドのうち、毎月配当型の4本のファンドについては、実際には有価証券での運用を全く行っていないにもかかわらず、毎月配当を行っていた。

    • (2) 無登録業者への名義貸し

      当社は、当社の名義を以って、平成21年6月から同年10月にかけて営業代行業務を行う法人に、同22年7月から同年8月にかけて当社の元社員等に、それぞれファンドの出資持分の私募を行わせていた。

    • 当社が行った上記(1)の行為は、金商法第28条第2項に規定する「第二種金融商品取引業」及び同第4項に規定する「投資運用業」に該当し、当社が同法第31条第4項に基づく変更登録を受けることなく、当該行為を行うことは、同法第29条に違反するものと認められる。

      また、当社が行った上記(2)の行為は、自己の名義を以って、第三者に金融商品取引業を行わせたものと認められ、金商法第36条の3(名義貸しの禁止)に違反するものと認められる。

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