平成22年11月18日
証券取引等監視委員会
株式会社大経及びその役員に対する金融商品取引法第192条第1項に基づく裁判所への申立てについて
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1.申立ての内容等
証券取引等監視委員会が、株式会社大経(東京都中央区、資本金1,000万円、役職員6名、金融商品取引業の登録等はない。以下「当社」という。)に対して金融商品取引法第187条に基づく調査を行った結果、下記2.の事実が認められたことから、平成22年11月17日、金融商品取引法第192条第1項の規定に基づき、東京地方裁判所に対し、当社並びに当社の代表取締役A及び取締役Bを相手方として金融商品取引法違反行為(無登録で、株式等の売買、売買の媒介若しくは代理又は募集若しくは私募の取扱いを業として行うこと)の禁止等を命ずるよう申立てを行った。
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2.事実関係
当社は、金融商品取引業の登録を受けずに、平成22年2月ころから6月ころまでの間、業として、株式会社生物化学研究所(山梨県中央市。以下「生物化学」という。)が新規に発行する株式及び新株予約権の取得の勧誘を行い、その結果、約100名の投資家が生物化学の株式等を1億円弱で取得していたほか、同年11月末に予定されている生物化学の新株発行に向けて投資家に対する取得の勧誘を行っていたものである。また、当社は上記株式等のほかにも、平成15年7月の設立以来、別の株式会社4社の株式につき、投資家に対する取得の勧誘を繰り返し行っていたものである。
このような当社の行為は、金融商品取引法第29条に違反するものであり、また、当社並びにその役員であるA及びBは、当該違反行為を今後も行う蓋然性が高いものと認められる。

金融商品取引法(抄)
(審問等に関する調査のための処分)
第百八十七条 内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣は、この法律の規定による審問、この法律の規定による処分に係る聴聞又は第百九十二条の規定による申立てについて、必要な調査をするため、当該職員に、次に掲げる処分をさせることができる。
一 関係人若しくは参考人に出頭を命じて意見を聴取し、又はこれらの者から意見書若しくは報告書を提出させること。
二 鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。
三 関係人に対し帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。
四 関係人の業務若しくは財産の状況又は帳簿書類その他の物件を検査すること。
(裁判所の禁止又は停止命令)
第百九十二条 裁判所は、緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、この法律又はこの法律に基づく命令に違反する行為を行い、又は行おうとする者に対し、その行為の禁止又は停止を命ずることができる。
2 裁判所は、前項の規定により発した命令を取り消し、又は変更することができる。
3 前二項の事件は、被申立人の住所地の地方裁判所の管轄とする。
4 第一項及び第二項の裁判については、非訟事件手続法 (明治三十一年法律第十四号)の定めるところによる。
第百九十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一~七(略)
八 第百九十二条第一項又は第二項の規定による裁判所の命令に違反した者
第二百七条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項及び次項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一~二(略)
三 第百九十八条第八号又は第百九十八条の三から第百九十八条の五まで 三億円以下の罰金刑
四~六(略)
(以下、略)