平成22年11月24日

証券取引等監視委員会

株式会社ローソンエンターメディアに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社ローソンエンターメディアに係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    株式会社ローソンエンターメディアは、関東財務局長に対し、貸倒引当金の過少計上により、別添のとおり、平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項及び金融商品取引法第172条の4第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。

    • [虚偽記載の概要]
      (単位:百万円)
      【平成21年2月期有価証券報告書】 虚偽記載額 認定金額
      売上高 7,620 7,620
      経常損益 840 840
      当期純損益 550 ▲1,444
      純資産額 6,432 4,420
      【平成21年5月第1四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
      売上高 2,484 2,484
      経常損益 435 435
      四半期純損益 826 652
      純資産額 7,220 5,051
      【平成21年8月第2四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
      売上高 5,148 5,148
      経常損益 727 727
      四半期純損益 967 776
      純資産額 7,344 5,158
      【平成21年11月第3四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
      売上高 7,712 7,712
      経常損益 1,035 1,035
      四半期純損益 1,143 ▲3,112
      純資産額 7,326 1,074
  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し旧金融商品取引法及び金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、800万円である。

    • (1) 旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成21年2月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、

      • マル1 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(201,755円)

      • マル2 3,000,000円

      を超えないことから、3,000,000円となる。

    • (2) 金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、平成21年5月第1四半期四半期報告書、平成21年8月第2四半期四半期報告書及び平成21年11月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額について、個別決定ごとの算出額は、

      • マル1 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

        (平成21年5月第1四半期四半期報告書  314,817円
        平成21年8月第2四半期四半期報告書  493,818円
        平成21年11月第3四半期四半期報告書 484,037円)

      • マル2 6,000,000円

      を超えないことから、

      • 平成21年5月第1四半期四半期報告書については、3,000,000円
        平成21年8月第2四半期四半期報告書については、3,000,000円
        平成21年11月第3四半期四半期報告書については、3,000,000円

      となる。

      ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分し、平成21年11月第3四半期四半期報告書については、金融商品取引法第26条の規定による検査が行われる前に、課徴金の減額に係る報告がされていることから、金融商品取引法第185条の7第12項の規定により、按分後の金額に100分の50を乗じて得た額が課徴金の額となる。

      • 平成21年5月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
        2,000,000円
        平成21年8月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
        2,000,000円
        平成21年11月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
        1,000,000円

  • (別添)株式会社ローソンエンターメディアの有価証券報告書等の虚偽記載内容
    番号 開示書類 虚偽記載
    提出日 書類 会計期間 財務計算に
    関する書類
    内容(注) 事由
    平成21年
    5月21日
    第17期事業年度会計期間に係る有価証券報告書(平成21年2月期有価証券報告書) 平成20年3月1日~平成21年2月28日の会計期間 損益計算書 当期純損益が▲1,444百万円であるところを550百万円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
    貸借対照表 純資産額が4,420百万円であるところを6,432百万円と記載
    平成21年
    7月10日
    第18期事業年度第1四半期会計期間に係る四半期報告書(平成21年5月第1四半期四半期報告書) 平成21年3月1日~平成21年5月31日の第1四半期会計期間 四半期
    貸借対照表
    純資産額が5,051百万円であるところを7,220百万円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
    平成21年
    10月14日
    第18期事業年度第2四半期会計期間に係る四半期報告書(平成21年8月第2四半期四半期報告書) 平成21年6月1日~平成21年8月31日の第2四半期会計期間 四半期
    貸借対照表
    純資産額が5,158百万円であるところを7,344百万円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
    平成22年
    1月14日
    第18期事業年度第3四半期会計期間に係る四半期報告書(平成21年11月第3四半期四半期報告書) 平成21年3月1日~平成21年11月30日の第3四半期累計期間 四半期
    損益計算書
    四半期純損益が▲3,112百万円であるところを1,143百万円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
    平成21年9月1日~平成21年11月30日の第3四半期会計期間 四半期
    貸借対照表
    純資産額が1,074百万円であるところを7,326百万円と記載

    (注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損益計算書では損失であることを示す。

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