平成23年7月15日
証券取引等監視委員会
株式会社東研に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について
- 1.勧告の内容 - 証券取引等監視委員会は、株式会社東研に係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。 
- 2.法令違反の事実関係 - (1) 株式会社東研は、関東財務局長に対し、売上の前倒し計上等により、別添のとおり、平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項及び第2項並びに金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。 - [虚偽記載の概要] - (単位:百万円) - 【平成18年10月中間期半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 2,636 - 2,319 - 連結経常損益 - 39 - ▲81 - 連結中間純損益 - 7 - ▲122 - 連結純資産額 - 2,645 - 2,213 - 【平成19年4月期有価証券報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 5,254 - 4,973 - 連結経常損益 - ▲26 - ▲149 - 連結当期純損益 - ▲80 - ▲179 - 連結純資産額 - 2,537 - 2,137 - 【平成20年7月第1四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 950 - 968 - 連結経常損益 - ▲155 - ▲146 - 連結四半期純損益 - ▲91 - ▲144 - 連結純資産額 - 1,961 - 1,555 - 【平成21年4月期有価証券報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 4,299 - 4,219 - 連結経常損益 - ▲467 - ▲496 - 連結当期純損益 - ▲625 - ▲595 - 連結純資産額 - 1,436 - 1,113 - 【平成21年7月第1四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 825 - 801 - 連結経常損益 - ▲119 - ▲137 - 連結四半期純損益 - ▲124 - ▲142 - 連結純資産額 - 1,317 - 976 - 【平成21年10月第2四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 1,954 - 1,869 - 連結経常損益 - ▲62 - ▲94 - 連結四半期純損益 - ▲71 - ▲103 - 連結純資産額 - 1,366 - 1,011 - 【平成22年1月第3四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 2,674 - 2,609 - 連結経常損益 - ▲200 - ▲228 - 連結四半期純損益 - ▲197 - ▲224 - 連結純資産額 - 1,598 - 1,247 - 【平成22年4月期有価証券報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 4,090 - 3,878 - 連結経常損益 - ▲23 - ▲93 - 連結当期純損益 - ▲34 - ▲103 - 連結純資産額 - 1,758 - 1,365 - 【平成22年7月第1四半期四半期報告書】 - 虚偽記載額 - 認定金額 - 連結売上高 - 1,122 - 1,111 - 連結経常損益 - 20 - 18 - 連結四半期純損益 - 7 - 5 - 連結純資産額 - 1,765 - 1,370 
- (2) 株式会社東研は、関東財務局長に対し、平成21年12月4日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成21年4月期有価証券報告書(別添番号欄4参照)及び平成21年10月第2四半期四半期報告書(別添番号欄6参照)を組込情報とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年12月24日、3,574,000株の株式を357,400,000円で取得させた。 - 同社が行った上記の行為は、金融商品取引法第172条の2第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。 
 
- 3.課徴金の額の計算 - 上記の違法行為に対し旧金融商品取引法及び金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、3,108万円である。 - (1) 旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成18年10月中間期半期報告書及び平成19年4月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、 - (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(117,843円) 
 - が - (ii) 3,000,000円 
 - を超えないことから、 - 平成18年10月中間期半期報告書については、1,500,000円 - 平成19年4月期有価証券報告書については、3,000,000円 - となる。 - ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、旧金融商品取引法第185条の7第2項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。 - 平成18年10月中間期半期報告書に係る課徴金の額は - 1,000,000円 - 平成19年4月期有価証券報告書に係る課徴金の額は - 2,000,000円 
- (2) 旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成20年7月第1四半期四半期報告書及び平成21年4月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、 - (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(43,835円) 
 - が - (ii) 3,000,000円 
 - を超えないことから、 - 平成20年7月第1四半期四半期報告書については、1,500,000円 - 平成21年4月期有価証券報告書については、3,000,000円 - となる。 - ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、旧金融商品取引法第185条の7第2項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。 - 平成20年7月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は - 1,000,000円 - 平成21年4月期有価証券報告書に係る課徴金の額は - 2,000,000円 
- (3) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成21年7月第1四半期四半期報告書、平成21年10月第2四半期四半期報告書、平成22年1月第3四半期四半期報告書及び平成22年4月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、 - (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額 - (平成21年7月第1四半期四半期報告書44,754円 - 平成21年10月第2四半期四半期報告書48,276円 - 平成22年1月第3四半期四半期報告書54,731円 - 平成22年4月期有価証券報告書53,370円) 
 - が - (ii) 6,000,000円 
 - を超えないことから、 - 平成21年7月第1四半期四半期報告書については、3,000,000円 - 平成21年10月第2四半期四半期報告書については、3,000,000円 - 平成22年1月第3四半期四半期報告書については、3,000,000円 - 平成22年4月期有価証券報告書については、6,000,000円 - となる。 - ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した額が課徴金の額となる。 - 平成21年7月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は - 1,200,000円 - 平成21年10月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は - 1,200,000円 - 平成22年1月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は - 1,200,000円 - 平成22年4月期有価証券報告書に係る課徴金の額は - 2,400,000円 
- (4) 金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、平成22年7月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、 - (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(63,377円) 
 - が - (ii) 6,000,000円 
 - を超えないことから、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円となる。 
- (5) 金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、 - 平成21年12月4日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、 - 357,400,000円×4.5/100=16,083,000円 - について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨てて、16,080,000円 - となる。 
 
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   (別添)株式会社東研の有価証券報告書等の虚偽記載内容 番号 開示書類 虚偽記載 提出日 書類 会計期間 財務計算に 
 関する書類内容(注) 事由 1 平成19年1月30日 第37期事業年度中間連結会計期間に係る半期報告書(平成18年10月中間期半期報告書) 平成18年5月1日~平成18年10月31日の中間連結会計期間 中間連結 
 損益計算書連結中間純損益が▲122百万円であるところを7百万円と記載 ・売上の前倒し計上 2 平成19年7月31日 第37期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成19年4月期有価証券報告書) 平成18年5月1日~平成19年4月30日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結当期純損益が▲179百万円であるところを▲80百万円と記載 ・売上の前倒し計上 3 平成20年9月12日 第39期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年7月第1四半期四半期報告書) 平成20年5月1日~平成20年7月31日の第1四半期連結会計期間 四半期連結 
 貸借対照表連結純資産額が1,555百万円であるところを1,961百万円と記載 ・売掛金の過大計上 
 等4 平成21年7月30日 第39期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成21年4月期有価証券報告書) 平成20年5月1日~平成21年4月30日の連結会計期間 連結 
 貸借対照表連結純資産額が1,113百万円であるところを1,436百万円と記載 ・売掛金の過大計上 
 等5 平成21年9月11日 第40期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年7月第1四半期四半期報告書) 平成21年5月1日~平成21年7月31日の第1四半期連結会計期間 四半期連結 
 貸借対照表連結純資産額が976百万円であるところを1,317百万円と記載 ・売掛金の過大計上 
 等6 平成21年12月4日 第40期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年10月第2四半期四半期報告書) 平成21年8月1日~平成21年10月31日の第2四半期連結会計期間 四半期連結 
 貸借対照表連結純資産額が1,011百万円であるところを1,366百万円と記載 ・売掛金の過大計上 
 等7 平成22年3月12日 第40期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年1月第3四半期四半期報告書) 平成21年11月1日~平成22年1月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結 
 貸借対照表連結純資産額が1,247百万円であるところを1,598百万円と記載 ・売掛金の過大計上 
 等8 平成22年7月27日 第40期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成22年4月期有価証券報告書) 平成21年5月1日~平成22年4月30日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結当期純損益が▲103百万円であるところを▲34百万円と記載 ・売上の前倒し計上 
 等連結 
 貸借対照表連結純資産額が1,365百万円であるところを1,758百万円と記載 9 平成22年9月13日 第41期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年7月第1四半期四半期報告書) 平成22年5月1日~平成22年7月31日の第1四半期連結会計期間 四半期連結 
 貸借対照表連結純資産額が1,370百万円であるところを1,765百万円と記載 ・売掛金の過大計上 
 等(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。 


