平成23年8月2日

証券取引等監視委員会

株式会社NESTAGE関係者らによる現物出資制度を悪用した偽計事件の告発について

証券取引等監視委員会は、平成23年8月2日、金融商品取引法違反(偽計)の嫌疑で、下記の犯則嫌疑法人及び犯則嫌疑者を大阪地方検察庁検察官に告発した。

  • 1.告発の対象となった犯則事実

    犯則嫌疑者7名は、ジャスダック証券取引所が開設する有価証券市場に株券を上場していた犯則嫌疑法人株式会社NESTAGE(以下「NESTAGE」という。)が、その平成22年2月期決算において、前期に続いて債務超過になり、上場廃止基準に抵触するおそれがあったことなどから、クロスビズ株式会社(以下「クロスビズ」という。)を引受人とする現物出資を含む第三者割当増資を行って債務超過を解消するとともに、NESTAGEの株価をつり上げることを企て、共謀の上、同社の業務及び財産に関し、同社の株券の発行のため、及び、同社の株価をつり上げる目的で、宿泊施設等であった土地及び建物3物件につき、真実は、募集株式の払込金額として予定していた12億円に相当する価値がなく、同金額に相当する現物出資財産として適正な鑑定評価及びその価額が相当であることの証明を受けられないものであったにもかかわらず、平成22年1月22日から同年2月5日ころまでの間、実現可能な具体的な事業計画もないまま、水増しした客室数及び収容人数等に基づいて上記3物件の鑑定評価額が合計13億円である旨の鑑定評価書を作成するなどして、上記3物件の価値を過大評価した上、同月10日、株式会社東京証券取引所が提供する適時開示情報伝達システムであるTDnetにより、NESTAGEの取締役会が、同月26日を現物出資財産給付期日とし、クロスビズを割当先として、上記3物件の現物出資により発行価額総額12億円のA種優先株式1200株を発行することを決議した旨公表するに際し、上記3物件について、募集株式の払込金額12億円に相当する現物出資財産として適正な鑑定評価及びその価額が相当であることの証明を受けており、同金額に相当する価値のある不動産が現物出資として給付される旨の虚偽の内容を含む公表を行い、もって有価証券の取引のため、及び、有価証券の相場の変動を図る目的をもって、偽計を用いたものである。

  • 2.関連条文

    金融商品取引法第197条第1項第5号、第158条、第207条第1項第1号、刑法第60条

法定刑:法人につき 7億円以下の罰金

個人につき 10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又は併科

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