平成23年12月22日

証券取引等監視委員会

株式会社Eファクトリー及び株式会社エクセレント並びにその役員1名の金融商品取引法違反行為に係る裁判所への申立てについて

  • 1.申立ての内容等

    証券取引等監視委員会が、株式会社Eファクトリー(東京都新宿区、資本金5,000万円、適格機関投資家等特例業務届出者。以下「Eファクトリー社」という。)及び株式会社エクセレント(東京都新宿区、資本金1,000万円、適格機関投資家等特例業務届出者。以下「エクセレント社」という。)に対して金融商品取引法(以下「金商法」という。)第187条に基づく調査を行った結果、下記2.の事実が認められたことから、本日、証券取引等監視委員会は、金商法第192条第1項の規定に基づき、東京地方裁判所に対し、Eファクトリー社及びエクセレント社並びにEファクトリー社代表取締役かつエクセレント社取締役であるAを被申立人として金商法違反行為(金商法第63条第1項第1号に掲げる私募に係る業務を行うに当たり、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為を行うこと)の禁止及び停止を命ずるよう申立てを行った。

  • 2.事実関係

    Eファクトリー社及びエクセレント社(以下「両社」という。)は、Aの指示の下、平成23年1月から同年11月までの間、多数の一般投資家に対し、両社が無限責任組合員となっている複数のファンドに係る投資事業有限責任組合契約の締結を勧誘しており、当該勧誘の際に顧客に交付した基本契約書、パンフレット、目論見書等(以下「パンフレット等」という。)により顧客に告知した手数料及び分配報酬金の支払い並びに主要投資対象先の経営実態に関する表示は、以下のとおり、事実と著しく相違するものであった。

    • (1)両社は、顧客による出資金のうち一律に50%に相当する金額を入金後直ちに売上げとして計上して自己の経費等に使用していたにもかかわらず、手数料又は報酬をこれよりも著しく低額である旨をパンフレット等において表示していた。

    • (2)両社は、分配報酬金の支払いについて、投資による利益が生じた場合には年率3%から8%(なお、年率は各ファンドごとに異なる。)を上限として分配報酬金を支払う旨などをパンフレット等において表示していたところ、実際には投資による利益が生じていないのに、当該上限額による分配報酬金を機械的に算出して顧客に支払い、その原資として出資金を充てていた。

    • (3)両社は、主要投資対象先について、成長性が高く、財務状況の健全なベンチャー企業への投資を主とする旨及び株式市場への上場が期待される会社である旨などをパンフレット等において表示していたところ、実際には主要投資対象先の経営実態は著しく相違するものであった。

    上記行為は、金商法第63条第4項の規定に基づき適格機関投資家等特例業務届出者を金融商品取引業者とみなして適用される同法第38条第1号に規定する「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に該当すると認められる。

    両社に対しては、平成22年12月に関東財務局から無登録で金融商品取引業を行っているとして警告書が発出されており、さらに、平成23年10月にEファクトリー社は名古屋営業所を開設し、同年11月にエクセレント社はファンドを新設しており、今後も上記の虚偽告知を伴うファンドの取得勧誘を締結する意向が認められる。

    以上からすれば、被申立人らは上記違法行為を今後も行う蓋然性が高いものと認められる。


金商法違反行為の禁止・停止の申立て

参考条文

○適格機関投資家等特例業務届出者に係る行為規制

金融商品取引法(抄)

(禁止行為)

第三十八条金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。

金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

二~七(略)

(適格機関投資家等特例業務)

第六十三条次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。

適格機関投資家等(適格機関投資家以外の者で政令で定めるもの(その数が政令で定める数以下の場合に限る。)及び適格機関投資家をいう。以下この条において同じ。)で次のいずれにも該当しない者を相手方として行う第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利に係る私募(適格機関投資家等(次のいずれにも該当しないものに限る。)以外の者が当該権利を取得するおそれが少ないものとして政令で定めるものに限る。)

イ~ハ(略)

(略)

2・3(略)

特例業務届出者が適格機関投資家等特例業務を行う場合においては、当該特例業務届出者を金融商品取引業者とみなして、第三十八条(第一号に係る部分に限る。)及び第三十九条並びにこれらの規定に係る第八章の規定を適用する。

5~8(略)

○緊急差止命令に係る申立て

金融商品取引法(抄)

(審問等に関する調査のための処分)

第百八十七条内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣は、この法律の規定による審問、この法律の規定による処分に係る聴聞又は第百九十二条の規定による申立てについて、必要な調査をするため、当該職員に、次に掲げる処分をさせることができる。

関係人若しくは参考人に出頭を命じて意見を聴取し、又はこれらの者から意見書若しくは報告書を提出させること。

鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。

関係人に対し帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。

関係人の業務若しくは財産の状況又は帳簿書類その他の物件を検査すること。

(裁判所の禁止又は停止命令)

第百九十二条裁判所は、緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、この法律又はこの法律に基づく命令に違反する行為を行い、又は行おうとする者に対し、その行為の禁止又は停止を命ずることができる。

裁判所は、前項の規定により発した命令を取り消し、又は変更することができる。

前二項の事件は、被申立人の住所地又は第一項に規定する行為が行われ、若しくは行われようとする地の地方裁判所の管轄とする。

第一項及び第二項の裁判については、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の定めるところによる。

第百九十八条次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一~七(略)

第百九十二条第一項又は第二項の規定による裁判所の命令に違反した者

第二百七条法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項及び次項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

一・二(略)

第百九十八条(第四号の二及び第五号を除く。)又は第百九十八条の三から第百九十八条の五まで 三億円以下の罰金刑

四~六(略)

(以下、略)

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