平成24年3月26日

証券取引等監視委員会

株式会社セラーテムテクノロジー株券に係る偽計事件の告発について

証券取引等監視委員会は、平成24年3月26日、金融商品取引法違反(偽計)の嫌疑で、下記の犯則嫌疑法人及び犯則嫌疑者2名を東京地方検察庁検察官に告発した。

  • 1.告発の対象となった犯則事実

    犯則嫌疑者両名は、大阪証券取引所に上場する犯則嫌疑法人株式会社セラーテムテクノロジーの浮動株時価総額が過少で上場廃止基準に抵触するおそれがあったことから、中国に本店を置く北京誠信能環科技有限公司(以下「北京誠信」という。)との間で実質的に株式交換を行うなどして、北京誠信を実質的に完全子会社化し、犯則嫌疑法人の株価の上昇を図るとともに、北京誠信株主らに犯則嫌疑法人の発行済株式の過半数を取得させるなどして、その経営支配権を北京誠信株主らに掌握させるスキームの実施をもくろんだ。しかしながら、同スキームは、北京誠信による「裏口上場」とみなされ、犯則嫌疑法人の株券が上場廃止基準に抵触することを危惧し、今度は新たに調達する資金で北京誠信を買収して実質的に完全子会社化したかのように偽装するスキームを企てた。

    すなわち、犯則嫌疑者両名は、共謀の上、犯則嫌疑法人の業務に関し、同法人の株価の上昇を図る目的で、真実は、北京誠信株主らが、北京誠信を実質的に完全子会社化した犯則嫌疑法人の発行済株式の過半数を取得するなどの方法により、同法人の経営支配権を掌握するスキームであったにもかかわらず、その実態を隠し、平成21年11月13日から12月9日までの間に、犯則嫌疑法人の自己資金7億5000万円を、いずれも北京誠信株主らが実質的に支配するTrue Honour Group Ltd.(以下「THG」という。)及びWEALTH CHIME INDUSTRIAL LIMITED(以下「WCI」という。)並びに犯則嫌疑法人の三社間で2回循環させる方法により、犯則嫌疑法人がWCIを割当先とする第三者割当増資によって調達した約15億円の資金でTHG等を介して北京誠信を買収したかのように偽装した。

    加えて、それらの情を秘し、東京証券取引所の適時開示情報伝達システムであるTDnetにより、平成21年11月13日、犯則嫌疑法人の取締役会が、WCIを割当先とする第三者割当増資を実施して約15億円の資金を調達し、その調達資金全てを北京誠信を実質的に完全子会社化するための買収資金に充当することを決議した旨の虚偽の事実を公表し、さらに、平成21年12月16日、犯則嫌疑法人において前記第三者割当増資に係る約15億円の払込手続が完了し、これにより北京誠信の実質的な完全子会社化が実現できることとなった旨の虚偽の事実を公表し、もって、有価証券の相場の変動を図る目的をもって、偽計を用いたものである。

  • 2.関連条文

    金融商品取引法第158条、同法第197条第1項第5号、刑法第60条、犯則嫌疑法人につき、更に金融商品取引法第207条第1項第1号

法定刑:法人につき 7億円以下の罰金

個人につき 10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科

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