平成24年4月13日

証券取引等監視委員会

オリンパス株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、オリンパス株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    オリンパス株式会社は、関東財務局長に対し、投資有価証券の過大計上やのれんの過大計上等により、別添のとおり、平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項及び第2項並びに金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。

    [虚偽記載の概要]
    (単位:百万円)
    【平成19年3月期有価証券報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 1,061,786 1,061,786
    連結経常損益 76,226 78,354
    連結当期純損益 47,799 48,762
    連結純資産額 344,871 224,951
    【平成19年9月中間期半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 550,366 550,366
    連結経常損益 50,098 51,862
    連結中間純損益 31,888 28,503
    連結純資産額 372,473 248,965
    【平成20年3月期有価証券報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 1,128,875 1,128,875
    連結経常損益 93,085 97,449
    連結当期純損益 57,969 53,222
    連結純資産額 367,876 242,877
    【平成20年6月第1四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 254,331 254,331
    連結経常損益 12,698 14,629
    連結四半期純損益 6,521 5,164
    連結純資産額 366,948 240,628
    【平成20年9月第2四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 535,790 535,790
    連結経常損益 19,598 23,971
    連結四半期純損益 3,603 ▲4,543
    連結純資産額 343,910 211,897
    【平成20年12月第3四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 754,185 754,185
    連結経常損益 19,864 26,235
    連結四半期純損益 ▲27,672 ▲35,238
    連結純資産額 241,281 110,428
    【平成21年3月期有価証券報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 980,803 980,803
    連結経常損益 18,390 25,952
    連結当期純損益 ▲114,810 ▲49,471
    連結純資産額 168,784 110,594
    【平成21年6月第1四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 205,169 205,169
    連結経常損益 6,985 7,175
    連結四半期純損益 1,806 1,871
    連結純資産額 185,941 127,124
    【平成21年9月第2四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 435,421 435,421
    連結経常損益 18,494 18,441
    連結四半期純損益 36,193 38,724
    連結純資産額 204,298 146,821
    【平成21年12月第3四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 651,937 651,937
    連結経常損益 33,135 33,611
    連結四半期純損益 43,685 46,619
    連結純資産額 214,952 158,251
    【平成22年3月期有価証券報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 883,086 883,086
    連結経常損益 45,115 46,075
    連結当期純損益 47,763 52,852
    連結純資産額 216,891 163,142
    【平成22年6月第1四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 206,006 206,006
    連結経常損益 9,029 10,010
    連結四半期純損益 1,501 ▲49
    連結純資産額 185,922 132,408
    【平成22年9月第2四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 417,327 417,327
    連結経常損益 19,137 19,263
    連結四半期純損益 7,046 3,806
    連結純資産額 180,482 128,255
    【平成22年12月第3四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 624,013 624,013
    連結経常損益 26,076 26,881
    連結四半期純損益 8,677 5,844
    連結純資産額 160,173 109,488
    【平成23年3月期有価証券報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 847,105 847,105
    連結経常損益 22,148 23,215
    連結当期純損益 7,381 3,866
    連結純資産額 166,836 115,589
    【平成23年6月第1四半期四半期報告書】 虚偽記載額 認定金額
    連結売上高 198,572 198,572
    連結経常損益 67 851
    連結四半期純損益 ▲2,154 ▲1,423
    連結純資産額 151,147 101,751

    なお、課徴金納付命令勧告の対象としたこれらの有価証券報告書等については、いずれも訂正報告書が提出されているが、それら訂正報告書については、課徴金納付命令勧告の対象としていない。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し旧金融商品取引法及び金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、1億9,181万9,994円である。

    • (1)旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成19年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、

      • (i)当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(28,731,612円)

      • (ii)3,000,000円

      を超えることから、28,731,612円について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて28,730,000円となる。

    • (2)旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成19年9月中間期半期報告書及び平成20年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

      • (i)当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(35,078,652円)

      • (ii)3,000,000円

      を超えることから、

      平成19年9月中間期半期報告書については、35,078,652円の2分の1に相当する額である17,530,000円(金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨て。以下、この項において同じ。)

      平成20年3月期有価証券報告書については、35,070,000円

      となる。

      ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、旧金融商品取引法第185条の7第2項の規定により、下記のとおり35,070,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

      平成19年9月中間期半期報告書に係る課徴金の額は

      11,687,777円

      平成20年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は

      23,382,222円

    • (3)旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成20年6月第1四半期四半期報告書、平成20年9月第2四半期四半期報告書、平成20年12月第3四半期四半期報告書及び平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

      • (i)当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(21,089,781円)

      • (ii)3,000,000円

      を超えることから、

      平成20年6月第1四半期四半期報告書については、21,089,781円の2分の1に相当する額である10,540,000円(金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨て。以下、この項において同じ。)

      平成20年9月第2四半期四半期報告書については、21,089,781円の2分の1に相当する額である10,540,000円

      平成20年12月第3四半期四半期報告書については、21,089,781円の2分の1に相当する額である10,540,000円

      平成21年3月期有価証券報告書については、21,080,000円

      となる。

      ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、旧金融商品取引法第185条の7第2項の規定により、下記のとおり21,080,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

      平成20年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

      4,216,000円

      平成20年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

      4,216,000円

      平成20年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

      4,216,000円

      平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は

      8,432,000円

    • (4)金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成21年6月第1四半期四半期報告書、平成21年9月第2四半期四半期報告書、平成21年12月第3四半期四半期報告書及び平成22年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

      • (i)当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

        (平成21年6月第1四半期四半期報告書31,208,060円

        平成21年9月第2四半期四半期報告書40,180,314円

        平成21年12月第3四半期四半期報告書45,438,721円

        平成22年3月期有価証券報告書40,873,928円)

      • (ii)6,000,000円

      を超えることから、

      平成21年6月第1四半期四半期報告書については、31,208,060円の2分の1に相当する額である15,600,000円(金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨て。以下、この項において同じ。)

      平成21年9月第2四半期四半期報告書については、40,180,314円の2分の1に相当する額である20,090,000円

      平成21年12月第3四半期四半期報告書については、45,438,721円の2分の1に相当する額である22,710,000円

      平成22年3月期有価証券報告書については、40,870,000円

      となる。

      ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり45,420,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額(同第28項の規定により1円未満の端数を切り捨て)が課徴金の額となる。

      平成21年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

      7,137,624円

      平成21年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

      9,191,979円

      平成21年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

      10,390,734円

      平成22年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は

      18,699,661円

    • (5)金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成22年6月第1四半期四半期報告書、平成22年9月第2四半期四半期報告書、平成22年12月第3四半期四半期報告書及び平成23年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

      • (i)当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

        (平成22年6月第1四半期四半期報告書41,663,213円

        平成22年9月第2四半期四半期報告書35,995,818円

        平成22年12月第3四半期四半期報告書37,961,515円

        平成23年3月期有価証券報告書38,582,384円)

      • (ii)6,000,000円

      を超えることから、

      平成22年6月第1四半期四半期報告書については、41,663,213円の2分の1に相当する額である20,830,000円(金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨て。以下、この項において同じ。)

      平成22年9月第2四半期四半期報告書については、35,995,818円の2分の1に相当する額である17,990,000円

      平成22年12月第3四半期四半期報告書については、37,961,515円の2分の1に相当する額である18,980,000円

      平成23年3月期有価証券報告書については、38,580,000円

      となる。

      ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり41,660,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額(同第28項の規定により1円未満の端数を切り捨て)が課徴金の額となる。

      平成22年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

      9,003,712円

      平成22年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

      7,776,129円

      平成22年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

      8,204,054円

      平成23年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は

      16,676,102円

    • (6)金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、平成23年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、

      • (i)当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(39,728,320円)

      • (ii)6,000,000円

      を超えることから、39,728,320円の2分の1に相当する額について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて19,860,000円となる。

  • (別添)オリンパス株式会社の有価証券報告書等の虚偽記載内容
    番号 開示書類 虚偽記載
    提出日 書類 会計期間 財務計算に
    関する書類
    内容 事由
    平成19年
    6月28日
    第139期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成19年3月期有価証券報告書) 平成18年4月1日~平成19年3月31日の連結会計期間 連結
    貸借対照表
    連結純資産額が224,951百万円であるところを344,871百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・長期借入金の過少計上
    平成19年
    12月14日
    第140期事業年度中間連結会計期間に係る半期報告書(平成19年9月中間期半期報告書) 平成19年4月1日~平成19年9月30日の中間連結会計期間 中間連結
    貸借対照表
    連結純資産額が248,965百万円であるところを372,473百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・長期借入金の過少計上
    平成20年
    6月27日
    第140期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成20年3月期有価証券報告書) 平成19年4月1日~平成20年3月31日の連結会計期間 連結
    貸借対照表
    連結純資産額が242,877百万円であるところを367,876百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成20年
    8月14日
    第141期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年6月第1四半期四半期報告書) 平成20年4月1日~平成20年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が240,628百万円であるところを366,948百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成20年
    11月14日
    第141期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年9月第2四半期四半期報告書) 平成20年7月1日~平成20年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が211,897百万円であるところを343,910百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成21年
    2月13日
    第141期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年12月第3四半期四半期報告書) 平成20年10月1日~平成20年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が110,428百万円であるところを241,281百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成21年
    6月26日
    第141期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成21年3月期有価証券報告書) 平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間 連結
    貸借対照表
    連結純資産額が110,594百万円であるところを168,784百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成21年
    8月14日
    第142期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年6月第1四半期四半期報告書) 平成21年4月1日~平成21年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が127,124百万円であるところを185,941百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成21年
    11月13日
    第142期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年9月第2四半期四半期報告書) 平成21年7月1日~平成21年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が146,821百万円であるところを204,298百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    10 平成22年
    2月15日
    第142期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年12月第3四半期四半期報告書) 平成21年10月1日~平成21年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が158,251百万円であるところを214,952百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    11 平成22年
    6月29日
    第142期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成22年3月期有価証券報告書) 平成21年4月1日~平成22年3月31日の連結会計期間 連結
    貸借対照表
    連結純資産額が163,142百万円であるところを216,891百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    12 平成22年
    8月13日
    第143期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年6月第1四半期四半期報告書) 平成22年4月1日~平成22年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が132,408百万円であるところを185,922百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    13 平成22年
    11月12日
    第143期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年9月第2四半期四半期報告書) 平成22年7月1日~平成22年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が128,255百万円であるところを180,482百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    14 平成23年
    2月14日
    第143期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年12月第3四半期四半期報告書) 平成22年10月1日~平成22年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が109,488百万円であるところを160,173百万円と記載 ・投資有価証券の過大計上
    ・のれんの過大計上
    15 平成23年
    6月29日
    第143期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成23年3月期有価証券報告書) 平成22年4月1日~平成23年3月31日の連結会計期間 連結
    貸借対照表
    連結純資産額が115,589百万円であるところを166,836百万円と記載 ・のれんの過大計上
    16 平成23年
    8月11日
    第144期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年6月第1四半期四半期報告書) 平成23年4月1日~平成23年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が101,751百万円であるところを151,147百万円と記載 ・のれんの過大計上

    (注)金額は百万円未満四捨五入である。

    PDF参考資料(PDF:176KB)

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