平成24年8月3日

証券取引等監視委員会

株式会社ジアース役員及び社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社ジアース役員及び社員による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社ジアース(以下「ジアース」という。)の役員であったが、その職務に関し、

    • ジアースの業務執行を決定する機関が、グーグル・アイルランド・リミテッド及びその関連者(以下「グーグル」という。)と業務上の提携を行うことについての決定をした旨の事実(以下「重要事実第1」という。)を知りながら、この事実が公表された平成22年8月12日より前の同年7月28日、自己の計算において、ジアースの株式合計183株を買付価額合計238万9480円で買い付け

    • ジアースにおいて、グーグルから、両社間の業務提携に係る不動産検索サービスの提供を停止するとの一方的な通告を受けた旨の、ジアースの運営、業務又は財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす事実(以下「重要事実第2」という。)を知りながら、この事実が公表された平成23年1月27日午後10時ころより前の同日午前9時ころ、自己の計算において、ジアースの株式合計183株を売付価額合計106万5060円で売り付け

    たものである。

    課徴金納付命令対象者(2)は、ジアースの社員であったが、その職務に関し、

    • ジアースの業務執行を決定する機関が、株式会社リクルートと業務上の提携を行うことについての決定をした旨の事実(以下「重要事実第3」という。)を知りながら、この事実が公表された平成22年11月1日より前の同年10月27日、自己の計算において、ジアースの株式合計50株を買付価額合計22万250円で買い付け

    • 重要事実第2を知りながら、この事実が公表された平成23年1月27日午後10時ころより前の同日午前9時ころ、自己の計算において、ジアースの株式合計50株を売付価額合計29万1000円で売り付け

    たものである。

    課徴金納付命令対象者(1)及び(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。

    課徴金納付命令対象者(1)134万円

    課徴金納付命令対象者(2)22万円

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。


(別紙)

  • 課徴金の額の計算方法について

    金融商品取引法第175条第1項に基づき、課徴金の額は、

    (重要事実が公表された後2週間における最も高い価格)×(買付株数)
    -(買付価格)×(買付株数)

    及び

    (売付価格)×(売付株数)
    -(重要事実が公表された後2週間における最も低い価格)×(売付株数)

    となる。

    したがって、ジアースの株価について、

    重要事実第1の公表後2週間における最も高い株価は、平成22年8月16日の18,190円であり、

    重要事実第2の公表後2週間における最も低い株価は、平成23年2月9日の3,530円であり、

    重要事実第3の公表後2週間における最も高い株価は、平成22年11月15日の6,680円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。

    課徴金納付命令対象者(1)について

    • (1)法令違反の事実関係のアに係る課徴金の額

      (18,190円×183株)-買付価額2,389,480円(注1)
      =939,290円
      ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、93万円

      • (注1)買付価額は、「12,880円×4株+13,000円×3株+13,010円×21株+13,050円×5株+13,070円×150株」の合計額である。

    • (2)法令違反の事実関係のイに係る課徴金の額

      売付価額1,065,060円(注2)-(3,530円×183株)
      =419,070円
      ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、41万円

      • (注2)売付価額は、「5,820円×183株」の額である。

    課徴金納付命令対象者(2)について

    • (1)法令違反の事実関係のアに係る課徴金の額

      (6,680円×50株)-買付価額220,250円(注3)
      =113,750円
      ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、11万円

      • (注3)買付価額は、「4,405円×50株」の額である。

    • (2)法令違反の事実関係のイに係る課徴金の額

      売付価額291,000円(注4)-(3,530円×50株)
      =114,500円
      ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、11万円

      • (注4)売付価額は、「5,820円×50株」の額である。

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