平成24年11月2日

証券取引等監視委員会

ジャパン・アドバイザリー合同会社による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、ジャパン・アドバイザリー合同会社(以下「当社」という。)による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    当社は、投資助言・代理業を行うことにつき、内閣総理大臣の登録を受けていた(平成24年6月29日登録取消し)が、投資運用業を行うことにつき登録を受けることなく実質的にその顧客の資産に関する投資運用業を営んでいた会社である。当社において、外国籍の2つのヘッジファンドの財産を実質的に運用していた同社社員が、平成23年7月5日に、エルピーダメモリ株式会社との引受契約の締結の交渉を行っていた証券会社の社員甲から、エルピーダメモリ株式会社の業務執行を決定する機関が株式及び転換社債型新株予約権付社債の募集を行うことについての決定をした旨の事実(同証券会社の他の社員乙が交渉に関して知り、社員甲がその職務に関し知ったものである。)の伝達(社員甲が、当社に対して産業用エレクトロニクス業種に関する説明等を行うにあたり、同証券会社の社内規則に基づき社員甲の担当銘柄であるエルピーダメモリ株式会社に関する記載を削除した説明資料を作成し、当社社員らに交付したこと等から、上記当社社員が上記事実を認識したものである。)を受けながら,この事実が公表された平成23年7月11日より前の平成23年7月6日に、上記外国籍ヘッジファンドの計算において、エルピーダメモリ株式会社株式合計3万2600株を売付価額3041万4986円で売り付けたものである。

    当社の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、12万円である。

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。

  • 4.その他

    本件については、上記2.の証券会社から、同社が継続的に行っている自主的な点検・調査において、問題を把握したとして、証券取引等監視委員会に報告がなされたものである。その後も証券取引等監視委員会の検査において、同社より協力がなされている。


(別紙)

  • 課徴金の額の計算方法について

    • (1) 金融商品取引法第175条第1項第3号・金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令第1条の21第1項第1号の規定により、金融商品取引法第175条第1項第3号に規定する売買をした者(以下「違反者」という。)が運用財産の運用として当該売買を行った場合、(ア)当該売買が行われた月について違反者に当該運用財産の運用の対価として支払われ、又は支払われるべき金銭その他の財産の価額の総額に、(イ)当該売買が行われた日からその月の末日までの間の当該運用財産である当該売買の銘柄の総額のうち最も高い額を乗じ、(ウ)当該取引が行われた月の末日における当該運用財産の総額で除した額。

      本件では、対象となる取引は、2つの運用財産の運用として行われているため、各運用財産について課徴金額を計算し、それらを合計する額になる。

      運用財産(I)について

      (ア)62,073,784円×(イ)82,146,900円
      ÷(ウ)58,864,796,167円
      =86,625円

      運用財産(II)について

      (ア)33,132,481円×(イ)23,527,900円
      ÷(ウ)21,866,025,539円
      =35,650円

      合計 86,625円+35,650円=122,275円

    • (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

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