平成24年11月27日

証券取引等監視委員会

ユーレカプロジェクト合同会社に対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    東海財務局長がユーレカプロジェクト合同会社(愛知県名古屋市、資本金300万円、役職員2名、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る法令違反等の事実が認められたので、平成24年11月26日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • (1)業務の運営の状況に関し、投資者保護上重大な問題が認められる状況

      • イ無登録の投資運用業者との投資一任契約の媒介をする行為その1

        A社は、金融商品取引法(以下「金商法」という。)に規定する金融商品取引業の登録を受けずに自動売買システムによりFX取引で運用する海外に所在する投資運用業者(以下「無登録の投資運用業者」という。)である。当社は、平成22年12月頃から過去の投資セミナー等で知りあった者に対して勧誘し、3名の顧客とA社との間で投資一任契約の締結の媒介を行った。

      • ロ無登録の投資運用業者との投資一任契約の媒介をする行為その2

        当社は、平成23年8月下旬頃から当社の主催したセミナー等で知りあった22名の者に対して勧誘し、4名の顧客とA社とは別の無登録の投資運用業者との間でも投資一任契約の締結の媒介を行った。

        当社が行った行為は、無登録の投資運用業者との投資一任契約の締結の媒介を行うものであり、投資者保護上重大な問題があるものと認められる。

      • ハ無登録の投資助言・代理業者の代理をして投資顧問契約を締結する行為

        当社は、無登録の投資助言・代理業者であるBが開発した株式投資の銘柄選定に用いるソフトウエア(以下「株式ソフト」という。)の販売を目的としてBと総代理店業務委託契約を締結し、当社ホームページで勧誘し、26名の顧客に販売している。

        顧客は、当社に対し、株式ソフトの購入代金に加え、別途月額使用料を支払っている。しかし、当該月額使用料のうち半額はBに支払われるとともに、株式ソフトは、当社がBに開発を委託したものではなく、Bが個人的に開発したものであり、株式ソフトのバージョンアップやバグ修正などの顧客へのサポートについて、当社を通さずに顧客に対して直接行っていることから、実質的には当社はBの代理として顧客との投資顧問契約の締結をしているものと認められる。

        当社が行った行為は、無登録の投資助言・代理業者であるBを代理して顧客と投資顧問契約を締結するものであり、投資者保護上重大な問題があると認められる。

        当社が行った上記イからハの行為は、金商法第51条に規定する、業務の運営状況の改善に必要な措置を取るべきことを命ずることができる場合の要件となる「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

    • (2)著しく事実に相違する表示のある広告をする行為

      当社は、Bが開発した株式ソフトの勧誘のために、当社ホームページに、「マルチペアトレード」と称する項目を設け、「モニターレポート」と称する株式ソフトの利用体験者(以下「モニター」という。)の実績の内容の広告を行っている。

      当該モニターレポートでは、運用資金300万円の者の実績として、「取引回数11回 手仕舞完了9回 9勝0敗 仕掛中2回 最大運用資金5,656,200円 手仕舞確定利益1,916,800円」のほか、「約1か月ほどで300万円の証拠金で47万円ほどの利益がでました。」等のコメントを掲載している。

      今回検査において、当該モニターレポートを検証したところ、モニターは実在の人物ではなく、コメントは当社が考えた架空の内容であり、同レポートの運用実績は、当社代表を含む役職員が株式ソフトを用いて行った模擬取引のうち、成績の良い2事例について顧客が実際に利益を上げたかのように表示したものであった。

      当社が行った行為は、当社ホームページのマルチペアトレードの広告において、投資助言業務の実績に関する事項につき、著しく事実に相違する表示のある広告をするものであり、金商法第37条第2項に違反するものと認められる。


(参考条文)

  • 金融商品取引法(昭和23年法律第25号) (抄)

    (広告等の規制)

    第三十七条  (略)

    2金融商品取引業者等は、その行う金融商品取引業に関して広告その他これに類似するものとして内閣府令で定める行為をするときは、金融商品取引行為を行うことによる利益の見込みその他内閣府令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。

    (金融商品取引業者に対する業務改善命令)

    第五十一条内閣総理大臣は、金融商品取引業者の業務の運営又は財産の状況に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該金融商品取引業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

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