平成24年12月18日
証券取引等監視委員会
株式会社セイクレスト関係者らによる現物出資制度を悪用した偽計事件の告発について
証券取引等監視委員会は、本日(12月18日)、金融商品取引法違反(偽計)の嫌疑で、嫌疑者2名を大阪地方検察庁に告発した。
(注)本件は、大阪府警察本部と合同で調査・捜査を実施。
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1.告発の対象となった犯則事実
犯則嫌疑者Aは、不動産の売買等を目的とし、ジャスダック証券取引所に株券を上場していた株式会社セイクレスト(以下「セイクレスト」という。)の代表取締役としてその業務全般を統括していたもの、犯則嫌疑者Bは、セイクレストとの資金調達業務に関する業務契約に基づき、セイクレストの資金調達計画の作成支援及び投資者向け公表情報の内容の検証等の業務を担当していたものであるが、犯則嫌疑者両名は、セイクレストが平成22年3月期決算において債務超過になるとジャスダックの定める株券上場廃止基準に抵触する状況にあったことなどから、虚偽の内容を含む公表を行うことにより現物出資を含む第三者割当増資を実現し、自己資本を大幅に増加させたように装って上場廃止を回避しようなどと考え、共謀の上、セイクレストの株券を発行するため、真実は、現物出資財産である和歌山県西牟婁郡白浜町所在の山林合計11筆(合計約8万4031㎡、以下「本件土地」という。)には募集株式の払込金額である20億円に相当する価値がなく、セイクレストが本件土地を取得後に株式会社カナヤマコーポレーション(以下「カナヤマコーポレーション」という。)等と共同で開発、販売する具体的な事業計画もない上、株式割当先である合同会社カナヤマ(以下「カナヤマ」という。)は割り当てられた株式を短期間で第三者に譲渡する意図であったにもかかわらず、平成22年2月18日、東京証券取引所が提供する適時開示情報伝達システムであるTDnetにより、セイクレストの取締役会が、払込期日を同年3月25日、株式割当先をカナヤマとして、本件土地の現物出資を含む第三者割当増資により普通株式合計530万株(払込金額総額21億2000万円)を発行することを決議した旨公表するに際し、「本件土地は募集株式の払込金額20億円に相当する現物出資財産として適正な鑑定評価及びその価額が相当であることの証明を受けており、セイクレストの開発事業部担当者によるデューデリジェンス等の独自の詳細調査内容の結果等も勘案し、同金額に相当する価値がある。」「セイクレストが本件土地を取得後、カナヤマコーポレーション及び株式会社センチュリージャパンと本件土地の開発、販売について共同事業を行い、本件土地は2年間で完売する予定であって、それによって得た資金で安定した収益基盤を確立できる。」「カナヤマは割り当てられた株式を原則として長期保有する。」旨の虚偽の内容を含む公表を行い、もって有価証券の取引のため、偽計を用いたものである。
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2.関連条文
金融商品取引法第197条第1項第5号、第158条
刑法第60条
法定刑:10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又はこれらの併科