平成25年3月29日

証券取引等監視委員会

日本風力開発株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、日本風力開発株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    • (1)継続開示書類

      日本風力開発株式会社(以下「当社」という。)は、平成21年3月期において、風力発電機販売斡旋取引に係る売上を計上した以下の有価証券報告書等を関東財務局長に提出したが、この風力発電機販売斡旋取引には、販売斡旋の役務提供及びその対価の実態がないことから、売上を計上することはできず、当社の提出した有価証券報告書等には、別紙1のとおりの虚偽の記載があると認められる。この虚偽記載は、平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」ものに該当する。

      • 平成21年3月期有価証券報告書(平成21年6月24日提出)
      • 平成21年3月期有価証券報告書の訂正報告書(平成22年7月28日提出)
    • (2)発行開示書類

      当社は、関東財務局長に対し、以下のとおり、金融商品取引法第172条の2第1項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類を提出し、当該発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させたものである。

      • (i)平成21年9月7日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成21年3月期有価証券報告書(別紙1の番号欄1参照)を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年9月25日、新株予約権付社債を3,000,000,000円で取得させた。

      • (ii)平成21年11月10日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成21年3月期有価証券報告書(別紙1の番号欄1参照)を参照書類とする有価証券届出書(一般募集)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年11月25日、20,000株の株式を4,726,900,000円で取得させた。

      • (iii)平成21年11月10日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成21年3月期有価証券報告書(別紙1の番号欄1参照)を参照書類とする有価証券届出書(その他の者に対する割当)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年12月17日、3,000株の株式を709,035,000円で取得させた。

      • (iv)平成22年1月15日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成21年3月期有価証券報告書(別紙1の番号欄1参照)を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年1月29日、1,497個の新株予約権証券を379,655,667円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させた。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し旧金融商品取引法及び金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、3億9,969万円である。(計算方法については別紙2のとおり。)


  • (別紙1)日本風力開発株式会社の有価証券報告書等の虚偽記載内容
    番号 開示書類 虚偽記載
    提出日 書類 会計期間 財務計算に
    関する書類
    内容(注) 事由
    平成21年
    6月24日
    第10期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成21年3月期有価証券報告書) 平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結経常損益が▲64百万円であるところを2,201百万円と記載
    連結当期純損益が▲1,434百万円であるところを831百万円と記載
    ・実態のない風力発電機販売斡旋取引に係る売上の計上
    平成22年
    7月28日
    第10期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書の訂正報告書(平成21年3月期有価証券報告書の訂正報告書) 平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結経常損益が▲404百万円であるところを1,861百万円と記載
    連結当期純損益が▲1,635百万円であるところを630百万円と記載
    ・実態のない風力発電機販売斡旋取引に係る売上の計上

    (注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

(別紙2)課徴金の計算方法

  • (1)旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成21年3月期有価証券報告書及び平成21年3月期有価証券報告書の訂正報告書(平成22年7月28日提出)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額

    (平成21年3月期有価証券報告書 1,153,737円  
    平成21年3月期有価証券報告書の訂正報告書    
    (平成22年7月28日提出) 1,153,737円

    (ii) 3,000,000円

    を超えないことから、

    平成21年3月期有価証券報告書については、3,000,000円
    平成21年3月期有価証券報告書の訂正報告書
    (平成22年7月28日提出)については、3,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、旧金融商品取引法第185条の7第2項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は
    1,500,000円
    平成21年3月期有価証券報告書の訂正報告書
    (平成22年7月28日提出)に係る課徴金の額は
    1,500,000円

  • (2)金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた有価証券の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、

    (i) 平成21年9月7日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、
    3,000,000,000円×4.5/100=135,000,000円

    (ii) 平成21年11月10日提出の有価証券届出書(一般募集)に係る課徴金の額は、
    4,726,900,000円×4.5/100=212,710,500円
    について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、212,710,000円

    (iii) 平成21年11月10日提出の有価証券届出書(その他の者に対する割当)に係る課徴金の額は、
    709,035,000円×4.5/100=31,906,575円
    について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、31,900,000円

    (iv) 平成22年1月15日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、
    379,655,667円×4.5/100=17,084,505円
    について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、17,080,000円

    となる。

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