平成25年6月14日

証券取引等監視委員会

株式会社ジャパンケアサービスに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社ジャパンケアサービスに係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    株式会社ジャパンケアサービスグループ(以下「当社」という。)は、事業承継した際に資産計上したのれんについて、平成21年3月期時点における将来キャッシュ・フローの見積りを考慮すれば、減損の兆候がある資産として減損損失の認識の判定等を行わなければならなかったにもかかわらず、減損の兆候の有無自体を判定することなく、結果として減損損失を計上しなかった。また、賃貸用不動産について、減損損失の測定に際し、使用価値の算定に用いる将来キャッシュ・フローの見積り等を誤り、結果として、減損損失を過少に計上するなどしていた。

    これらの結果、当社は、関東財務局長に対し、別紙1のとおり、平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項並びに金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」以下の有価証券報告書等を提出したものである。

    • 平成21年3月期有価証券報告書(平成21年6月29日提出)
    • 平成21年6月第1四半期四半期報告書(平成21年8月14日提出)
    • 平成21年9月第2四半期四半期報告書(平成21年11月13日提出)
    • 平成21年12月第3四半期四半期報告書(平成22年2月15日提出)
    • 平成22年3月期有価証券報告書(平成22年6月30日提出)
    • 平成22年6月第1四半期四半期報告書(平成22年8月13日提出)
    • 平成22年9月第2四半期四半期報告書(平成22年11月12日提出)
    • 平成22年12月第3四半期四半期報告書(平成23年2月14日提出)
    • 平成23年3月期有価証券報告書(平成23年6月30日提出)
    • 平成23年6月第1四半期四半期報告書(平成23年8月15日提出)
    • 平成23年9月第2四半期四半期報告書(平成23年11月14日提出)
    • 平成23年12月第3四半期四半期報告書(平成24年2月14日提出)
    • 平成24年3月期有価証券報告書(平成24年6月28日提出)

    なお、旧金融商品取引法第176条第4項及び金融商品取引法第176条第4項の規定により、発行者が合併により消滅したときは、これらの者がした行為は、合併後存続した法人がした行為とみなすことから、当社に対する課徴金は存続会社である株式会社ジャパンケアサービスに対して課されることになる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し旧金融商品取引法及び金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、2,100万円である。(計算方法については別紙2のとおり。)


  • (別紙1)株式会社ジャパンケアサービスの有価証券報告書等の虚偽記載内容
    番号 開示書類 虚偽記載
    提出日 書類 会計期間 財務計算に
    関する書類
    内容(注) 事由
    平成21年
    6月29日
    第19期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成21年3月期有価証券報告書) 平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結当期純損益が▲1,964百万円であるところを▲1,654百万円と記載 ・減損損失の不計上
    ・のれんの過大計上
    連結
    貸借対照表
    連結純資産額が455百万円であるところを753百万円と記載
    平成21年
    8月14日
    第20期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年6月第1四半期四半期報告書) 平成21年4月1日~平成21年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が634百万円であるところを925百万円と記載 ・のれんの過大計上
    平成21年
    11月13日
    第20期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年9月第2四半期四半期報告書) 平成21年7月1日~平成21年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が602百万円であるところを886百万円と記載 ・のれんの過大計上
    平成22年
    2月15日
    第20期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年12月第3四半期四半期報告書) 平成21年10月1日~平成21年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が739百万円であるところを1,016百万円と記載 ・のれんの過大計上
    平成22年
    6月30日
    第20期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成22年3月期有価証券報告書) 平成21年4月1日~平成22年3月31日の連結会計期間 連結
    貸借対照表
    連結純資産額が864百万円であるところを1,124百万円と記載 ・のれんの過大計上
    平成22年
    8月13日
    第21期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年6月第1四半期四半期報告書) 平成22年4月1日~平成22年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が654百万円であるところを908百万円と記載 ・のれんの過大計上
    平成22年
    11月12日
    第21期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年9月第2四半期四半期報告書) 平成22年7月1日~平成22年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が836百万円であるところを1,086百万円と記載 ・のれんの過大計上
    平成23年
    2月14日
    第21期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年12月第3四半期四半期報告書) 平成22年10月1日~平成22年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が1,271百万円であるところを1,516百万円と記載 ・のれんの過大計上
    平成23年
    6月30日
    第21期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成23年3月期有価証券報告書) 平成22年4月1日~平成23年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結当期純損益が321百万円であるところを584百万円と記載 ・減損損失の不計上
    ・のれんの過大計上
    ・賃貸用の土地・建物の過大計上
    連結
    貸借対照表
    連結純資産額が1,058百万円であるところを1,580百万円と記載
    10 平成23年
    8月15日
    第22期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年6月第1四半期四半期報告書) 平成23年4月1日~平成23年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が998百万円であるところを1,559百万円と記載 ・のれんの過大計上
    ・賃貸用の土地・建物の過大計上
    11 平成23年
    11月14日
    第22期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年9月第2四半期四半期報告書) 平成23年7月1日~平成23年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が1,039百万円であるところを1,595百万円と記載 ・のれんの過大計上
    ・賃貸用の土地・建物の過大計上
    12 平成24年
    2月14日
    第22期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年12月第3四半期四半期報告書) 平成23年10月1日~平成23年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
    損益計算書
    連結当期純損益が▲31百万円であるところを146百万円と記載 ・減損損失の過少計上
    ・のれんの過大計上
    ・賃貸用の土地・建物の過大計上
    四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が956百万円であるところを1,657百万円と記載
    13 平成24年
    6月28日
    第22期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成24年3月期有価証券報告書) 平成23年4月1日~平成24年3月31日の連結会計期間 連結
    貸借対照表
    連結純資産額が▲89百万円であるところを494百万円と記載 ・のれんの過大計上
    ・賃貸用の土地・建物の過大計上

    (注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失または債務超過であることを示す。

(別紙2)課徴金の計算方法

  • (1)旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、

    (i) 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(35,794円)

    (ii) 3,000,000円

    を超えないことから、3,000,000円となる。

    なお、旧金融商品取引法第176条第4項の規定により、発行者が合併により消滅したときは、これらの者がした行為は、合併後存続した法人がした行為とみなすことから、当社に対する課徴金は存続会社である株式会社ジャパンケアサービスに対して課されることになる。

  • (2)金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成21年6月第1四半期四半期報告書、平成21年9月第2四半期四半期報告書、平成21年12月第3四半期四半期報告書及び平成22年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    (i)当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

    (平成21年6月第1四半期四半期報告書 70,312円  
    平成21年9月第2四半期四半期報告書 126,424円  
    平成21年12月第3四半期四半期報告書 131,483円  
    平成22年3月期有価証券報告書 120,529円

    (ii)6,000,000円

    を超えないことから、

    平成21年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成21年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成21年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成22年3月期有価証券報告書については、6,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    平成21年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    1,200,000円
    平成21年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    1,200,000円
    平成21年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    1,200,000円
    平成22年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は
    2,400,000円

    なお、金融商品取引法第176条第4項の規定により、発行者が合併により消滅したときは、これらの者がした行為は、合併後存続した法人がした行為とみなすことから、当社に対する課徴金は存続会社である株式会社ジャパンケアサービスに対して課されることになる。

  • (3)金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成22年6月第1四半期四半期報告書、平成22年9月第2四半期四半期報告書、平成22年12月第3四半期四半期報告書及び平成23年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    (i)当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

    (平成22年6月第1四半期四半期報告書 178,252円  
    平成22年9月第2四半期四半期報告書 166,466円  
    平成22年12月第3四半期四半期報告書 170,279円  
    平成23年3月期有価証券報告書 184,345円

    (ii)6,000,000円

    を超えないことから、

    平成22年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成22年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成22年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成23年3月期有価証券報告書については、6,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    平成22年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    1,200,000円
    平成22年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    1,200,000円
    平成22年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    1,200,000円
    平成23年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は
    2,400,000円

    なお、金融商品取引法第176条第4項の規定により、発行者が合併により消滅したときは、これらの者がした行為は、合併後存続した法人がした行為とみなすことから、当社に対する課徴金は存続会社である株式会社ジャパンケアサービスに対して課されることになる。

  • (4)金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成23年6月第1四半期四半期報告書、平成23年9月第2四半期四半期報告書、平成23年12月第3四半期四半期報告書及び平成24年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    (i)当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

    (平成23年6月第1四半期四半期報告書 157,179円  
    平成23年9月第2四半期四半期報告書 121,737円  
    平成23年12月第3四半期四半期報告書 113,772円  
    平成24年3月期有価証券報告書 137,634円

    (ii)6,000,000円

    を超えないことから、

    平成23年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成23年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成23年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成24年3月期有価証券報告書については、6,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    平成23年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    1,200,000円
    平成23年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    1,200,000円
    平成23年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    1,200,000円
    平成24年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は
    2,400,000円

    なお、金融商品取引法第176条第4項の規定により、発行者が合併により消滅したときは、これらの者がした行為は、合併後存続した法人がした行為とみなすことから、当社に対する課徴金は存続会社である株式会社ジャパンケアサービスに対して課されることになる。

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