平成25年6月19日

証券取引等監視委員会

明治機械株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、明治機械株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    • (1)継続開示書類

      明治機械株式会社(以下「当社」という。)は、当社の子会社管理態勢の不備等により、当社の子会社における架空伝票の作成や原価管理システム上での不正な原価の付替えにより、仕掛品を過大に計上していた。また、当該子会社では、取引先の代理店や物流を委託していた運送会社に対して、架空の受領書や注文書の作成を依頼し、その結果、当社は架空の売上を計上するなどしていた。

      これらの結果、当社は、関東財務局長に対し、別紙1のとおり、平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項及び第2項並びに金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」以下の有価証券報告書等を提出したものである。

      • 平成20年3月期有価証券報告書(平成20年6月27日提出)
      • 平成20年6月第1四半期四半期報告書(平成20年8月14日提出)
      • 平成20年9月第2四半期四半期報告書(平成20年11月14日提出)
      • 平成20年12月第3四半期四半期報告書(平成21年2月13日提出)
      • 平成21年3月期有価証券報告書(平成21年6月26日提出)
      • 平成21年6月第1四半期四半期報告書(平成21年8月14日提出)
      • 平成21年9月第2四半期四半期報告書(平成21年11月13日提出)
      • 平成21年12月第3四半期四半期報告書(平成22年2月15日提出)
      • 平成23年12月第3四半期四半期報告書(平成24年2月13日提出)
    • (2)発行開示書類

      当社は、関東財務局長に対し、平成21年9月18日、平成21年3月期有価証券報告書(別紙1の番号欄5参照)及び平成21年6月第1四半期四半期報告書(別紙1の番号欄6参照)を組込情報とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年10月6日、300個の新株予約権を1,504,741,200円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させ、もって重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させたものである。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し旧金融商品取引法及び金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、8,271万円である。(計算方法については別紙2のとおり。)


  • (別紙1)明治機械株式会社の有価証券報告書等の虚偽記載内容
    番号 開示書類 虚偽記載
    提出日 書類 会計期間 財務計算に
    関する書類
    内容(注) 事由
    平成20年
    6月27日
    第133期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成20年3月期有価証券報告書) 平成19年4月1日~平成20年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結経常損益が▲563百万円であるところを172百万円と記載
    連結当期純損益が▲929百万円であるところを▲487百万円と記載
    ・仕掛品の過大計上
    ・のれんの過大計上
    ・架空売上の計上
    連結
    貸借対照表
    連結純資産額が5,965百万円であるところを8,114百万円と記載
    平成20年
    8月14日
    第134期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年6月第1四半期四半期報告書) 平成20年4月1日~平成20年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が5,947百万円であるところを8,094百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成20年
    11月14日
    第134期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年9月第2四半期四半期報告書) 平成20年7月1日~平成20年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が5,860百万円であるところを7,966百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成21年
    2月13日
    第134期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年12月第3四半期四半期報告書) 平成20年10月1日~平成20年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が5,439百万円であるところを7,605百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成21年
    6月26日
    第134期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成21年3月期有価証券報告書) 平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結経常損益が▲573百万円であるところを▲163百万円と記載
    連結当期純損益が▲1,098百万円であるところを▲688百万円と記載
    ・仕掛品の過大計上
    ・のれんの過大計上
    ・架空売上の計上
    連結
    貸借対照表
    連結純資産額が4,558百万円であるところを7,118百万円と記載
    平成21年
    8月14日
    第135期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年6月第1四半期四半期報告書) 平成21年4月1日~平成21年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が4,690百万円であるところを7,212百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成21年
    11月13日
    第135期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年9月第2四半期四半期報告書) 平成21年7月1日~平成21年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が4,345百万円であるところを6,564百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成22年
    2月15日
    第135期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年12月第3四半期四半期報告書) 平成21年10月1日~平成21年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が4,572百万円であるところを6,622百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
    ・のれんの過大計上
    平成24年
    2月13日
    第137期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年12月第3四半期四半期報告書) 平成23年4月1日~平成23年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
    損益計算書
    連結四半期純損益が369百万円であるところを550百万円と記載 ・売上原価の不計上

    (注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

(別紙2)課徴金の計算方法

  • (1)旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成20年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、

    (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(145,804円)

    (ii) 3,000,000円

    を超えないことから、3,000,000円となる。

  • (2)旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成20年6月第1四半期四半期報告書、平成20年9月第2四半期四半期報告書、平成20年12月第3四半期四半期報告書及び平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    (i)当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(539,350円)

    (ii)3,000,000円

    を超えないことから、

    平成20年6月第1四半期四半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円
    平成20年9月第2四半期四半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円
    平成20年12月第3四半期四半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円
    平成21年3月期有価証券報告書については、3,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、旧金融商品取引法第185条の7第2項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    平成20年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は600,000円
    平成20年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は600,000円
    平成20年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は600,000円
    平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は1,200,000円

  • (3)金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、平成21年6月第1四半期四半期報告書、平成21年9月第2四半期四半期報告書及び平成21年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    (i)当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

    (平成21年6月第1四半期四半期報告書 230,026円  
    平成21年9月第2四半期四半期報告書 254,710円  
    平成21年12月第3四半期四半期報告書 175,355円

    (ii)6,000,000円

    を超えないことから、

    平成21年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成21年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    平成21年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    平成21年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は2,000,000円
    平成21年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は2,000,000円
    平成21年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は2,000,000円

  • (4)金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、平成23年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、

    (i)当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(90,402円)

    (ii)6,000,000円

    を超えないことから、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円となる。

  • (5)金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、

    平成21年9月18日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、
    1,504,741,200円×4.5/100=67,713,354円
    について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、67,710,000円

    となる。

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