平成25年7月31日

証券取引等監視委員会

RISE株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、RISE株式に係る相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    ジャガーノート・キャピタル・マネジメント・ピーティーイー・リミテッド(以下「ジャガーノート」という。)は、シンガポール共和国会社法に基づいて設立されたリミテッド・プライベート・カンパニーであり、ケイマン諸島法に基づく信託形態のヘッジファンド(以下「マスター・ファンド」という。)の受託者及びケイマン諸島法に基づく株式会社形態のヘッジファンド(以下「フィーダー・ファンド」という。)との間で締結した投資一任契約に基づいて、フィーダー・ファンドに出資された資産の運用権限を有し、かつ、フィーダー・ファンドの議決権のすべてを所有していたものである。ジャガーノートは、その代表者らにおいて、同社の業務に関し、株式会社RISEの株式につき、株価の高値形成を図り、平成24年3月21日午前8時33分頃から同年4月25日午後3時8分頃までの間、26取引日にわたり、同株式の売買を誘引する目的をもって、マスター・ファンドの名義を用いて、最良買い気配値以下の価格帯に大口の買い注文を発注するとともに、直前約定値より高値に最低売買単位の買い注文を発注して株価を引き上げたり、大引け前に、大口の引成買い注文を発注し、終値形成に関与するなどの方法により、フィーダー・ファンドの計算において、同株式合計1349万2000株を買い付ける一方、同株式合計1018万8400株を売り付けるとともに、同株式合計2億4613万4300株の買付けの委託を行うなどし、もって、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。

    ジャガーノートが行った上記の行為は、金融商品取引法第174条の2第1項に規定する「第159条第2項第1号の規定に違反する一連の有価証券の売買等」及び「その委託等」の違反行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、4億3118万円である。

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。

  • 4.その他

    本件については、シンガポール通貨監督庁(Monetary Authority of Singapore)より支援がなされている。


(別紙)

  • 課徴金の額の計算方法について

    • 1.金融商品取引法第174条の2第1項に基づき、課徴金の額は、

      • (1)売買対当数量(注1)に係るものについて、

        (有価証券の売付価額)-(有価証券の買付価額)

        と、

      • (2)当該違反行為に係る有価証券の買付数量が売付数量を超える場合には、当該超える数量に係るものについて、

        (当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該有価証券の最高価格のうち最も高い価格×当該超える数量)-(有価証券の買付価額)

        との合計額として計算される。

        (注1)売買対当数量:当該違反行為に係る有価証券の売付数量と買付数量のうち、いずれか少ない数量をいう。

    • 2.本件における課徴金の額は、下記(1)及び(2)によりそれぞれ算定される額の合計431,183,900円から金融商品取引法第176条第2項の規定により、1万円未満を切り捨てた4億3118万円

      • (1)当該違反行為に係る売買対当数量は、

        • (i)当該違反行為に係る有価証券の売付数量は10,188,400株であり、

        • (ii)当該違反行為に係る有価証券の買付数量は、実際の買付け等の数量13,492,000株に、金融商品取引法第174条の2第8項及び同法施行令第33条の13第1号により、違反行為開始時にその時の価格(31円)で買付け等をしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量6,852,500株を加えた20,344,500株である

          ことから、10,188,400株となる。

          当該売買対当数量に係るものについて、

          売付価額486,076,500円(注2)-買付価額333,431,700円(注3、4)

          =152,644,800円

          (注2)売付価額は、
          「33円×375,000株+34円×54,000株+35円×280,000株+36円×100,000株+38円×470,000株+39円×1,495,000株+40円×557,000株+41円×625,000株+43円×150,000株+45円×355,000株+46円×250,000株+47円×782,700株+48円×521,400株+49円×613,400株+50円×1,024,400株+51円×143,100株+52円×50,000株+54円×159,400株+55円×235,600株+56円×85,000株+57円×210,000株+58円×119,000株+59円×51,000株+62円×170,000株+63円×175,500株+64円×404,500株+65円×140,000株+70円×10,000株+71円×107,200株+72円×390,200株+73円×5,000株+74円×80,000株」
          の合計額である。

          (注3)買付価額は、
          「31円×6,852,500株+32円×250,000株+33円×100株+34円×160,300株+35円×1,188,700株+36円×42,500株+37円×672,700株+38円×528,300株+39円×281,100株+40円×212,200株」
          の合計額である。

          (注4)買付価額の算定においては、金融商品取引法施行令第33条の14第5項の規定により、当該違反行為に係る有価証券の買付けのうち最も早い時期に行われたものから順次当該売買対当数量に達するまで割り当てることとなる。
          本件においては、違反行為の開始時点において所有しており、金融商品取引法第174条の2第8項及び同法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時点にその時における価格(31円)で買い付けたものとみなされるもの(みなし買付け)から割り当てられることとなる。

      • (2)上記(1)のとおり、当該違反行為に係る有価証券の買付数量が、売付数量を超えることから、

        当該超える数量株(20,344,500株-10,188,400株)について、

        当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該有価証券の最高価格のうち最も高い価格(77円)に当該超える数量を乗じて得た額

        782,019,700円(77円×10,156,100株)

        -有価証券の買付価額503,480,600円(注5)

        =278,539,100円

        (注5)買付価額は、
        「39円×694,000株+40円×941,600株+41円×608,500株+42円×331,900株+43円×618,400株+44円×8,700株+45円×57,300株+46円×202,500株+47円×881,600株+48円×793,600株+49円×51,200株+50円×1,081,000株+51円×1,295,200株+52円×1,400株+53円×300株+54円×75,300株+55円×93,000株+56円×109,900株+57円×38,900株+58円×83,600株+59円×200株+60円×125,600株+61円×504,000株+62円×713,600株+63円×480,200株+64円×226,100株+65円×117,700株+66円×4,100株+67円×4,000株+69円×200株+70円×800株+71円×1,100株+72円×7,700株+73円×2,100株+74円×300株+75円×500株」
        の合計額である。

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