平成25年12月2日

証券取引等監視委員会

株式会社スタッツインベストメントマネジメントによる内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

※ 本件は、金融庁において平成26年10月30日に課徴金納付命令決定を行いましたが、令和2年7月10日に同決定は取り消されました。  
 
  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社スタッツインベストメントマネジメント(以下「スタッツ」という。)による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    スタッツは、その締結する投資一任契約に基づいて、いずれもケイマン籍ユニット・トラストであるギンガ・サービス・セクター・ファンド(Ginga Service Sector Fund)及びユビキタス・マスター・シリーズ・トラスト・クラス・ディ・ファンド(Ubiquitous Master Series Trust Class D Fund)の資産の運用権限を有していた会社であるが、ファンド・マネジャーとして上記各ファンドの運用を担当していた同社役員において、遅くとも平成22年7月2日までに、国際石油開発帝石株式会社と株式引受契約の締結に向けた交渉を行っていた証券会社の社員甲から、同証券会社の他の社員乙が同契約の交渉に関し知り、その後、甲がその職務に関し知った国際石油開発帝石株式会社の業務執行を決定する機関が株式の募集を行うことについての決定をした旨の重要事実の伝達を受けながら、上記投資一任契約に基づく運用として、同重要事実が公表された同月8日より前の同月6日、国際石油開発帝石株式の売付けを行い、もって、上記各ファンドの計算において、同株式合計456株を売付価額2億1847万3000円で売り付けたものである。

    スタッツが行った上記の行為は、平成24年法律第86号による改正前の金融商品取引法(以下「金融商品取引法」という。)第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、54万円である。

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。

  • 4.その他

    本件については、上記2.の証券会社から、同社が継続的に行っている自主的な点検・調査において問題を把握したとして、証券取引等監視委員会に報告がなされたものである。その後も証券取引等監視委員会の調査において、同社より協力がなされている。


(別紙)

○課徴金の額の計算方法について

  • (1)金融商品取引法第175条第1項第3号・金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令第1条の21第1項第1号の規定により、金融商品取引法第175条第1項第3号に規定する売買等をした者(以下「違反者」という。)が、運用財産の運用として当該売買等をした場合、課徴金の額は、(ア)当該売買等が行われた月について違反者に当該運用財産の運用の対価として支払われ、又は支払われるべき金銭その他の財産の価額の総額に、(イ)当該売買等が行われた日からその月の末日までの間の当該運用財産である当該売買等の銘柄の総額のうち最も高い額を乗じた額を、(ウ)当該売買等が行われた月の末日における当該運用財産の総額で除して得た額である。

    本件では、対象となる取引が、2つの運用財産の運用として行われてたものであるため、各運用財産について課徴金の額を計算し、それらを合計した金額が本件の課徴金の額となる。

    運用財産1について

    (ア)14,591,134円×(イ)147,798,000円÷(ウ)5,123,624,544円

    = 420,901円

    運用財産2について

    (ア)2,221,451円×(イ)72,933,000円÷(ウ)1,270,673,889円

    = 127,504円

    合計 420,901円+127,504円=548,405円

  • (2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

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