平成26年2月4日

証券取引等監視委員会

スラージュマン株式会社に対する検査結果について

  • 1.検査結果

    証券取引等監視委員会がスラージュマン株式会社(東京都中央区、資本金1,000万円、役職員1名、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「当社」という。)を検査した結果、以下の法令違反等の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、金融庁長官に対して、適切な措置を講じるための情報提供を行った。

  • 2.事実関係

    当社は、目標配当率を月2%(年24%)とする毎月配当型の2ファンド(以下「本件ファンド」という。)の取得勧誘及び出資金の運用を行っている。今回検査において、当社の業務の運営状況を検証したところ、以下の問題点が認められた。

    • (1)金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

      当社は、遅くとも平成23年6月から、本件ファンドの取得勧誘を行っているところ、当社ウェブサイト及び顧客に送付した勧誘資料において、本件ファンドについて、外国為替証拠金取引による運用を行い、その運用成果は月により変動し、平成25年3月から11月までの月次損益は5.42%~15.48%、直近23ヶ月の加重平均利益は8.81%であると記載している。

      しかしながら、当社は、実際には、本件ファンドの運用開始当初から外国為替証拠金取引による運用は行っておらず、出資金の全額を、専ら外国法人(以下「A社」という。)が発行する月利3%の無担保社債(以下「本件社債」という。)のみに投資しているとしている。

      当社の上記勧誘行為は、金融商品取引法第63条第4項に基づき適格機関投資家等特例業務届出者を金融商品取引業者とみなして適用される同法第38条第1号に規定する「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に該当すると認められる。

    • (2)投資者保護上問題が認められる状況

      当社は、平成25年10月以降、A社の運用状況の悪化により、本件社債の月利3%のうち1%の利金がA社から支払われなくなり、さらに同年12月以降は、利金及び償還金の全額が支払われなくなったとしている。

      しかしながら、当社は、本件ファンドの運用が従来どおり順調であるなどと、当社ウェブサイト及び顧客向けメールに記載して、本件ファンドの取得勧誘を継続し、同月にも顧客に出資させている。

      当社は、スマイリングパートナーズ株式会社の鈴木隆志代表取締役社長(以下「鈴木社長」という。)に紹介されて、本件ファンドの出資金全額を本件社債に投資したとしており、本件社債への投資に当たり、出資金を鈴木社長に現金で手渡しして本件社債を購入し、A社からの利金及び償還金の受取りも鈴木社長から現金で受け取っていたとしている。

      しかしながら、当社による出資金の手渡しについては、その事実を確認できるものは何もなく、当社によれば、当社は、受領書や本件ファンドの出資金が本件社債に投資されていることを裏付ける書類を鈴木社長から受け取っていない。

      以上のように、当社の本件ファンドに対する運用管理は、著しく杜撰な状況にある。

      当社は、A社からの利金及び償還金の支払いが停止しているにもかかわらず、本件ファンドの取得勧誘を継続しており、また、本件ファンドに対する運用管理が著しく杜撰な状況にあり、こうした状況は、投資者保護上問題があると認められる。


(参考条文)

○金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(禁止行為)

第三十八条 金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。

一 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

二~七 (略)

(適格機関投資家等特例業務)

第六十三条 (略)

2・3 (略)

4 特例業務届出者が適格機関投資家等特例業務を行う場合においては、当該特例業務届出者を金融商品取引業者とみなして、第三十八条(第一号に係る部分に限る。)及び第三十九条並びにこれらの規定に係る第八章の規定を適用する。

5~8 (略)

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