平成26年2月4日

証券取引等監視委員会

スマイリングパートナーズ株式会社に対する検査結果について

  • 1.検査結果

    証券取引等監視委員会がスマイリングパートナーズ株式会社(東京都中央区、資本金2,555万円、役職員2名、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「当社」という。)を検査した結果、以下の法令違反等の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、金融庁長官に対して、適切な措置を講じるための情報提供を行った。

  • 2.事実関係

    当社は、目標配当率をそれぞれ月1.5%、2%及び3%とする四半期分配型の3ファンド(以下「本件ファンド」という。)の取得勧誘及び出資金の運用を行っている。今回検査において、当社の業務の運営状況を検証したところ、以下の問題点が認められた。

    • (1)金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

      当社は、平成22年6月から、本件ファンドの取得勧誘を順次行っているところ、当社ウェブサイトにおいて、本件ファンドについて、

      • ア当社専属のプロトレーダーが複数の投資手法を組み合わせて運用を行っている、

      • イ元本全額を償還しており、償還率が100%である

      旨を、現在に至るまで記載している。

      また、当社は、他社に委託して行ったメール配信等において、本件ファンドについて、

      • ウプロの投資家から認められた投資ファンドであり、証券会社等のプロの投資家から出資を受けている、

      • エ公認会計士による会計監査が行われている

      旨を記載している。

      しかしながら、実際には、

      • オ遅くとも平成24年8月以降、当社専属のプロトレーダーは存在せず、プロトレーダーによる運用は行われておらず、

      • カ平成25年11月以降、配当金及び償還金は顧客に支払われておらず、

      • キ本件ファンドに出資している証券会社は存在しておらず、

      • ク会計監査は行われていない

      状況になっている。

      また、当社は、運用報告レポートにおいて、本件ファンドへの実際の出資金額と著しく異なる過大な金額を本件ファンドの運用資産額として記載し、照会のあった顧客に当該レポートを送付し、本件ファンドの取得勧誘を行っている。

      当社の上記勧誘行為は、金融商品取引法第63条第4項に基づき適格機関投資家等特例業務届出者を金融商品取引業者とみなして適用される同法第38条第1号に規定する「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に該当すると認められる。

    • (2)投資者保護上問題が認められる状況

      当社は、平成25年11月以降、本件ファンドの出資金全額の運用を専ら委託しているとしている外国法人A社(以下「A社」という。)の代理人と称する者(以下「本件代理人」という。)から、マネー・ローンダリング調査のためA社の銀行口座が凍結されている旨の通知を受け、本件ファンドの配当金及び償還金の全額が支払われなくなったとしている。

      しかしながら、当社は、同月以降も、当社ウェブサイトにおいて、本件ファンドに関する記事を掲載し、資料請求のあった顧客に対して、本件ファンドに係る勧誘資料を送付して本件ファンドの取得勧誘を継続し、当該顧客に出資させている。

      なお、当社は、同通知を受けた後、A社からA社に運用を委託した出資金が著しく毀損している旨の報告を受けたとしている。

      また、当社は、本件ファンドの出資金を本件代理人に現金で手渡し、A社からの配当金及び償還金の受渡しについても、本件代理人から現金で受け取っていたとしている。

      しかしながら、当社による出資金の手渡しについては、その事実を確認できるものは何もなく、当社によれば、当社は、本件代理人から受領書を受け取っておらず、また、本件代理人がA社から代理権を付与されているか否かについて確認を行っていないばかりか、本件代理人の氏名さえも把握していない。

      また、当社は、運用委託契約書などA社へ運用を委託したことを証するものは何も保存しておらず、本件代理人から、紙面などで原則月次で運用の報告を受けているとしているが、報告内容は当社で保存しておらず、資料は全て破棄したため、現存していないとしている。

      以上のように、当社の本件ファンドに対する運用管理は、著しく杜撰な状況にある。

      当社は、配当金及び償還金の支払いが停止しているにもかかわらず、本件ファンドの取得勧誘を継続しており、また、本件ファンドに対する運用管理が著しく杜撰な状況にあり、こうした状況は、投資者保護上問題があると認められる。


(参考条文)

○金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(禁止行為)

第三十八条 金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。

一 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

二~七 (略)

(適格機関投資家等特例業務)

第六十三条 (略)

2・3 (略)

4 特例業務届出者が適格機関投資家等特例業務を行う場合においては、当該特例業務届出者を金融商品取引業者とみなして、第三十八条(第一号に係る部分に限る。)及び第三十九条並びにこれらの規定に係る第八章の規定を適用する。

5~8 (略)

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