平成26年6月19日

証券取引等監視委員会

株式会社アイレックスに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社アイレックスに係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    株式会社アイレックス(以下「当社」という。)は、システム開発に係る派遣業務について、実際には作業に従事していない人員の勤務表を改ざんして実態を上回る作業時間を計上することにより、これに対応する架空の売上を計上するなどした。また、システムの開発及び制作を受注して行う取引について、顧客の検収後に発生した労務費等を費用として処理すべきであったにもかかわらず、仕掛品として計上するなどした。

    これらの結果、当社は、関東財務局長に対し、別紙1のとおり、金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」以下の有価証券報告書等を提出したものである。

    • 平成24年3月期有価証券報告書(平成24年6月25日提出)
    • 平成24年6月第1四半期四半期報告書(平成24年8月14日提出)
    • 平成24年9月第2四半期四半期報告書(平成24年11月14日提出)
    • 平成24年12月第3四半期四半期報告書(平成25年2月14日提出)
    • 平成24年9月第2四半期四半期報告書の訂正報告書(平成25年6月10日提出)
  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、1,500万円である。(計算方法については別紙2のとおり。)


(別紙1)株式会社アイレックスの有価証券報告書等の虚偽記載内容
番号 開示書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 財務計算に
関する書類
内容(注) 事由
平成24年
6月25日
第70期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成24年3月期有価証券報告書) 平成23年4月1日~平成24年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
連結経常損益が211百万円であるところを335百万円と記載
連結当期純損益が124百万円であるところを248百万円と記載
・架空売上の計上
平成24年
8月14日
第71期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成24年6月第1四半期四半期報告書) 平成24年4月1日~平成24年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が596百万円であるところを806百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
平成24年
11月14日
第71期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成24年9月第2四半期四半期報告書) 平成24年4月1日~平成24年9月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期経常損益が▲14百万円であるところを190百万円と記載
連結四半期純損益が▲68百万円であるところを135百万円と記載
・架空売上の計上
・仕掛品の過大計上
平成24年7月1日~平成24年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が545百万円であるところを899百万円と記載
平成25年
2月14日
第71期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成24年12月第3四半期四半期報告書) 平成24年4月1日~平成24年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期経常損益が▲16百万円であるところを129百万円と記載
連結四半期純損益が▲75百万円であるところを69百万円と記載
・架空売上の計上
・仕掛品の過大計上
平成24年10月1日~平成24年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が551百万円であるところを846百万円と記載
平成25年
6月10日
第71期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書の訂正報告書(平成24年9月第2四半期四半期報告書の訂正報告書) 平成24年4月1日~平成24年9月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期経常損益が▲14百万円であるところを68百万円と記載
連結四半期純損益が▲68百万円であるところを13百万円と記載
・架空売上の計上
・仕掛品の過大計上
平成24年7月1日~平成24年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が545百万円であるところを715百万円と記載

(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

(別紙2)課徴金の計算方法

  • (1)金融商品取引法第172条の4第1項の規定により、平成24年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、

    • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(206,903円)

    • 6,000,000円

    を超えないことから、6,000,000円となる。

  • (2)金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、平成24年6月第1四半期四半期報告書、平成24年9月第2四半期四半期報告書及び平成24年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

      • (平成24年6月第1四半期四半期報告書203,455円
      • 平成24年9月第2四半期四半期報告書192,050円
      • 平成24年12月第3四半期四半期報告書191,479円)

    • 6,000,000円

    を超えないことから、

    • 平成24年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    • 平成24年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    • 平成24年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    • 平成24年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
      2,000,000円
    • 平成24年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
      2,000,000円
    • 平成24年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
      2,000,000円
  • (3)金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、平成24年9月第2四半期四半期報告書の訂正報告書に係る課徴金の額は、

    • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(192,050円)

    • 6,000,000円

    を超えないことから、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円となる。

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