平成26年12月5日
証券取引等監視委員会
公開買付者との契約締結交渉者の社員からの情報受領者による日立メディコ株式に係る内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、公開買付者との契約締結交渉者の社員からの情報受領者による日立メディコ株式に係る内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
2.法令違反の事実関係
課徴金納付命令対象者は、株式会社日立メディコ(以下「日立メディコ」という。)の社員から、株式会社日立製作所(以下「日立製作所」という。)の業務執行を決定する機関が日立メディコ株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実の伝達を受けながら、この事実が公表された平成25年11月13日より前の同月12日、自己の計算において、日立メディコ株式合計1000株を買付価額合計135万3000円で買い付けたものである。
上記公開買付けの実施に関する事実は、日立メディコの役員が、同社と日立製作所との公開買付けの条件に関する契約の締結交渉に関し知り、その後、日立メディコの社員が、その職務に関しこの事実を知ったものである。
課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
3.課徴金の額の計算
上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、44万円である。
計算方法の詳細については、別紙のとおり。
(別紙)
○課徴金の額の計算方法について
金融商品取引法第175条第2項に基づき、課徴金の額は、
(公開買付け等の実施に関する事実が公表された後2週間における最も高い価格)×(買付株数)
-(買付価格)×(買付株数)
となる。
したがって、公開買付け等の実施に関する事実の公表後2週間における日立メディコの最も高い株価は、1,799円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。
(1,799円×1,000株) - 買付価額1,353,000円(注)
=446,000円
⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、44万円
(注)買付価額は、「1,353円×1,000株」の額である。