平成27年3月27日

証券取引等監視委員会

株式会社SJIに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社SJIに係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    • (1)継続開示書類

      株式会社SJI(以下「当社」という。)は、売買取引を装うなどして、実質破綻状態にあった当社役員に資金を流出させていたにもかかわらず、同流出資金について貸倒引当金繰入額を計上しなかった上、同役員の知人が代表取締役を務める会社等に対する貸付金について適切な貸倒引当金繰入額の計上等をしなかった。

      これらの結果、当社は、関東財務局長に対し、別紙1のとおり、金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」以下の有価証券報告書等を提出したものである。

      • 平成22年12月第3四半期四半期報告書(平成23年2月14日提出)
      • 平成23年3月期有価証券報告書(平成23年6月29日提出)
      • 平成23年6月第1四半期四半期報告書(平成23年8月15日提出)
      • 平成23年9月第2四半期四半期報告書(平成23年11月14日提出)
      • 平成23年12月第3四半期四半期報告書(平成24年2月22日提出)
      • 平成24年3月期有価証券報告書(平成24年6月28日提出)
      • 平成25年12月第3四半期四半期報告書(平成26年2月14日提出)
      • 平成26年3月期有価証券報告書(平成26年6月27日提出)
    • (2)発行開示書類

      当社は、関東財務局長に対し、以下のとおり、金融商品取引法第172条の2第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類を提出し、当該発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させたものである。

      • 平成23年9月22日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成23年3月期有価証券報告書及び平成23年6月第1四半期四半期報告書(別紙1参照)を組込情報とする有価証券届出書(株式)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年10月17日、109,000株の株式を1,417,000,000円で取得させた。

      • 平成24年11月27日、平成23年4月1日から平成24年3月31日までの連結会計期間につき、貸倒引当金繰入額の過少計上等により、同期間における連結当期純損益が582百万円の損失であるところを795百万円の利益と記載するなどした同期間における連結損益計算書を掲載した有価証券届出書(新株予約権付社債)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年12月14日、新株予約権付社債を2,500,000,000円で取得させた。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、1億9,426万円である。(計算方法については別紙2のとおり。)


(別紙1)株式会社SJIの有価証券報告書等の虚偽記載内容
番号 開示書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 財務計算に
関する書類
内容(注) 事由
平成23年
2月14日
第22期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成22年12月第3四半期四半期報告書) 平成22年4月1日~平成22年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期純損益が▲865百万円であるところを▲363百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成23年
6月29日
第22期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成23年3月期有価証券報告書) 平成22年4月1日~平成23年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
連結当期純損益が▲950百万円であるところを8百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成23年
8月15日
第23期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年6月第1四半期四半期報告書) 平成23年4月1日~平成23年6月30日の第1四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期純損益が▲1,785百万円であるところを▲266百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成23年4月1日~平成23年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が9,318百万円であるところを11,796百万円と記載
平成23年
11月14日
第23期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年9月第2四半期四半期報告書) 平成23年4月1日~平成23年9月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期純損益が▲788百万円であるところを930百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成24年
2月22日
第23期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年12月第3四半期四半期報告書) 平成23年4月1日~平成23年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期純損益が▲998百万円であるところを697百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成24年
6月28日
第23期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成24年3月期有価証券報告書) 平成23年4月1日~平成24年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
連結当期純損益が▲582百万円であるところを795百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成26年
2月14日
第25期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成25年12月第3四半期四半期報告書) 平成25年4月1日~平成25年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期純損益が▲1,351百万円であるところを▲526百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成26年
6月27日
第25期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成26年3月期有価証券報告書) 平成25年4月1日~平成26年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
連結当期純損益が▲6,714百万円であるところを▲6,149百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上

(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

(別紙2)課徴金の計算方法

  • (1)金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成22年12月第3四半期四半期報告書及び平成23年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

      • (平成22年12月第3四半期四半期報告書672,555円
      • 平成23年3月期有価証券報告書761,980円)

    • 6,000,000円

    を超えないことから、

    • 平成22年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    • 平成23年3月期有価証券報告書については、6,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    • 平成22年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    • 2,000,000円
    • 平成23年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は
    • 4,000,000円
  • (2)金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成23年6月第1四半期四半期報告書、平成23年9月第2四半期四半期報告書、平成23年12月第3四半期四半期報告書及び平成24年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

      • (平成23年6月第1四半期四半期報告書598,686円
      • 平成23年9月第2四半期四半期報告書542,303円
      • 平成23年12月第3四半期四半期報告書533,111円
      • 平成24年3月期有価証券報告書566,724円)

    • 6,000,000円

    を超えないことから、

    • 平成23年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    • 平成23年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    • 平成23年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    • 平成24年3月期有価証券報告書については、6,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    • 平成23年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    • 1,200,000円
    • 平成23年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    • 1,200,000円
    • 平成23年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    • 1,200,000円
    • 平成24年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は
    • 2,400,000円
  • (3)金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成25年12月第3四半期四半期報告書及び平成26年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

      • (平成25年12月第3四半期四半期報告書445,489円
      • 平成26年3月期有価証券報告書418,193円)

    • 6,000,000円

    を超えないことから、

    • 平成25年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
    • 平成26年3月期有価証券報告書については、6,000,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり600万円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が課徴金の額となる。

    • 平成25年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は
    • 2,000,000円
    • 平成26年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は
    • 4,000,000円
  • (4)金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、

    • 平成23年9月22日提出の有価証券届出書(株式)に係る課徴金の額は、

      • 1,417,000,000円×4.5/100=63,765,000円
      • について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、63,760,000円
    • 平成24年11月27日提出の有価証券届出書(新株予約権付社債)に係る課徴金の額は、

      • 2,500,000,000円×4.5/100=112,500,000円

    となる。

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