平成27年10月23日

証券取引等監視委員会

公開買付者の親会社との契約締結者の社員からの情報受領者によるウェブクルー株式に係る内部者取引違反行為及び当該社員による公開買付けの実施の事実に係る伝達違反行為に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、公開買付者の親会社との契約締結者の社員からの情報受領者によるウェブクルー株式に係る内部者取引及び当該社員による公開買付けの実施の事実に係る伝達について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    • (1)課徴金納付命令対象者(1)について

      課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング(以下「ニュートン」という。)の親会社である株式会社光通信との間で株式引受契約を締結していた会社の社員であった課徴金納付命令対象者(2)から、同人が同契約の履行に関して知った、ニュートンの業務執行を決定する機関が、株式会社ウェブクルー(以下「ウェブクルー」という。)の株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実の伝達を受けながら、上記事実の公表がされた平成26年11月12日午後3時より前の同日午後1時42分頃から50分頃、自己の計算において、ウェブクルー株式合計7800株を買付価額合計496万8500円で買い付けたものである。

      課徴金納付命令対象者(1)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

    • (2)課徴金納付命令対象者(2)について

      課徴金納付命令対象者(2)は、株式会社ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング(以下「ニュートン」という。)の親会社である株式会社光通信との間で株式引受契約を締結していた会社の社員であったが、同契約の履行に関して知った、ニュートンの業務執行を決定する機関が、ウェブクルーの株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を、課徴金納付命令対象者(1)に対し、上記事実が公表される前にウェブクルー株式の買付けをさせることにより同人に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。

    課徴金納付命令対象者(1)は、上記事実の公表がされた平成26年11月12日午後3時より前の同日午後1時42分頃から50分頃、自己の計算において、ウェブクルー株式合計7800株を買付価額合計496万8500円で買い付けたものである。

    課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条の2第2項に規定する「第167条の2第2項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の買付け等若しくは売付け等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。

    課徴金納付命令対象者(1)51万円

    課徴金納付命令対象者(2)25万円

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。


(別紙)

課徴金の額の計算方法について

  • 1.課徴金納付命令対象者(1)

    金融商品取引法第175条第2項に基づき、課徴金の額は、

    (公開買付け等の実施に関する事実が公表された後2週間における最も高い価格)×(買付株数)

    -(買付価格)×(買付株数)

    となる。

    したがって、公開買付け等の実施に関する事実の公表後2週間におけるウェブクルーの最も高い株価は、703円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。

    (703円×7,800株)-買付価額4,968,500円(注1)

    =514,900円

    ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、51万円

    (注1)買付価額は、

    「636円×100株+637円×7,700株」

    の額である。

  • 2.課徴金納付命令対象者(2)

    金融商品取引法第175条の2第2項に基づき、課徴金の額は、

    (当該違反行為により当該情報受領者が行った当該買付け等によって得た利得相当額)×1/2

    となる。

    金融商品取引法第175条の2第4項に基づき、利得相当額は、

    (公開買付け等の実施に関する事実が公表された後2週間における最も高い価格)×(買付株数)

    -(買付価格)×(買付株数)

    となる。

    したがって、公開買付け等の実施に関する事実の公表後2週間におけるウェブクルーの最も高い株価は、703円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。

    {(703円×7,800株)-買付価額4,968,500円(注2)}×1/2

    =257,450円

    ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、25万円

    (注2)買付価額は、

    「636円×100株+637円×7,700株」

    の額である。

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