株式会社東芝に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について
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1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、株式会社東芝に係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
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2.法令違反の事実関係
(1)継続開示書類
株式会社東芝(以下「当社」という。)は、一部の工事進行基準適用案件において、工事損失引当金の過少計上及び売上の過大計上を行ったほか、映像事業、パソコン事業及び半導体事業等の一部において、売上原価の過少計上、費用の過少計上などを行った。
これらの結果、当社は、関東財務局長に対し、別紙1のとおり、金融商品取引法第172条の4第1項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」以下の有価証券報告書を提出したものである。
平成24年3月期有価証券報告書(平成24年6月22日提出)
平成25年3月期有価証券報告書(平成25年6月25日提出)
(2)発行開示書類
当社は、関東財務局長に対し、以下のとおり、金融商品取引法第172条の2第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類を提出し、当該発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させたものである。
ア平成22年12月9日、平成21年4月1日から平成22年3月31日までの連結会計期間につき、売上原価の過少計上等により、同期間における連結当期純損益が53,943百万円(百万円未満切捨て。以下同じ。)の損失であるところを19,743百万円の損失と記載するなどした連結損益計算書を掲載した有価証券報告書を参照書類とする発行登録追補書類を提出し、同発行登録追補書類に基づく募集により、同年12月15日、社債券を120,000,000,000円で取得させた。
イ平成25年1月17日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成24年3月期有価証券報告書(別紙1参照)を参照書類とする発行登録追補書類を提出し、同発行登録追補書類に基づく募集により、同年1月28日、社債券を30,000,000,000円で取得させた。
ウ平成25年5月24日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成24年3月期有価証券報告書(別紙1参照)を参照書類とする発行登録追補書類を提出し、同発行登録追補書類に基づく募集により、同年5月30日、社債券を90,000,000,000円で取得させた。
エ平成25年7月12日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成25年3月期有価証券報告書(別紙1参照)を参照書類とする発行登録追補書類を提出し、同発行登録追補書類に基づく募集により、同年7月26日、社債券を30,000,000,000円で取得させた。
オ平成25年12月5日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成25年3月期有価証券報告書(別紙1参照)を参照書類とする発行登録追補書類を提出し、同発行登録追補書類に基づく募集により、同年12月11日、社債券を50,000,000,000円で取得させた。
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3.課徴金の額の計算
上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、73億7,350万円である。(計算方法については別紙2のとおり。)
番 号 |
開示書類 | 虚偽記載 | ||||
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提出日 | 書類 | 会計期間 | 財務計算に 関する書類 |
内容(注1) | 事由 | |
1 | 平成24年 6月22日 |
第173期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成24年3月期有価証券報告書) | 平成23年4月1日~平成24年3月31日の連結会計期間 | 連結 損益計算書 |
連結当期純損益が3,194百万円であるところを70,054百万円(注2)と記載 | ・工事損失引当金の過少計上及び売上の過大計上 ・売上原価の過少計上 ・費用の過少計上 等 |
2 | 平成25年 6月25日 |
第174期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成25年3月期有価証券報告書) | 平成24年4月1日~平成25年3月31日の連結会計期間 | 連結 損益計算書 |
連結当期純損益が13,425百万円であるところを77,366百万円(注3)と記載 | ・工事損失引当金の過少計上及び売上の過大計上 ・売上原価の過少計上 ・費用の過少計上 等 |
(注1)金額は百万円未満切捨てである。
(注2)平成25年3月期有価証券報告書に掲載された連結損益計算書記載の遡及修正後の計数である。
(注3)平成26年3月期有価証券報告書に掲載された連結損益計算書記載の遡及修正後の計数である。
(1)金融商品取引法第172条の4第1項の規定により、平成24年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、
ア当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(92,277,727円)
が
イ6,000,000円
を超えることから、92,277,727円について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて92,270,000円となる。
(2)金融商品取引法第172条の4第1項の規定により、平成25年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、
ア当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(81,236,859円)
が
イ6,000,000円
を超えることから、81,236,859円について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて81,230,000円となる。
(3)金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた有価証券の発行価額の総額の100分の2.25に相当する額が課徴金の額となることから、
ア平成22年12月9日提出の発行登録追補書類に係る課徴金の額は、
120,000,000,000円×2.25/100=2,700,000,000円
イ平成25年1月17日提出の発行登録追補書類に係る課徴金の額は、
30,000,000,000円×2.25/100=675,000,000円
ウ平成25年5月24日提出の発行登録追補書類に係る課徴金の額は、
90,000,000,000円×2.25/100=2,025,000,000円
エ平成25年7月12日提出の発行登録追補書類に係る課徴金の額は、
30,000,000,000円×2.25/100=675,000,000円
オ平成25年12月5日提出の発行登録追補書類に係る課徴金の額は、
50,000,000,000円×2.25/100=1,125,000,000円
となる。