株式会社エスケーエレクトロニクス役員からの情報受領者による内部者取引違反行為に対する課徴金納付命令の勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、株式会社エスケーエレクトロニクス役員からの情報受領者による内部者取引違反行為について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
2.法令違反の事実関係
課徴金納付命令対象者は、株式会社エスケーエレクトロニクス(以下「エスケーエレクトロニクス」という。)の役員から、同人がその職務に関し知った、
(1)エスケーエレクトロニクスの属する企業集団の平成24年10月1日から平成25年9月30日までの会計期間の業績予想値について、平成24年11月12日に公表された前事業年度の決算値(売上高109億8400万円、経常損失24億1400万円、当期純損失23億700万円)に比較して、同社が新たに算出した予想値において、投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとなる差異が生じた旨の重要事実の伝達を受けながら、同社において新たに算出した平成25年9月期の予想値(売上高176億円、経常利益15億円、当期純利益14億5000万円)が公表された平成25年8月8日より前の同月2日午前10時11分頃から同月8日午後2時37分頃までの間、自己の計算において、エスケーエレクトロニクス株式合計1万8100株を買付価額合計712万9200円で買い付け
(2)エスケーエレクトロニクスの属する企業集団の平成25年10月1日から平成26年9月30日までの会計期間の業績予想値について、平成26年2月10日に公表された直近の予想値(売上高161億円、経常利益17億5000万円、当期純利益12億5000万円)に比較して、同社が新たに算出した予想値において、投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとなる差異が生じた旨の重要事実の伝達を受けながら、同社において新たに算出した平成26年9月期の予想値(売上高185億円、経常利益33億円、当期純利益23億円)が公表された平成26年5月12日より前の同月2日午前9時18分頃から同月12日午前10時29分頃までの間、自己の計算において、エスケーエレクトロニクス株式合計1万4300株を買付価額合計1116万800円で買い付け
たものである。
違反行為事実の概要については、別図のとおり。
課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
3.課徴金の額の計算
上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、1563万円である。
計算方法の詳細については、別紙のとおり。
(別図)
○違反行為事実の概要について
(別紙)
○課徴金の額の計算方法について
金融商品取引法第175条第1項に基づき、課徴金の額は、
(重要事実が公表された後2週間における最も高い価格)×(買付株数)
-(買付価格)×(買付株数)
となる。
したがって、
違反行為(1)について、重要事実の公表後2週間におけるエスケーエレクトロニクスの最も高い株価は、699円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。
(699円×18,100株) - 買付価額7,129,200円(注1)
=5,522,700円
⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、552万円
(注1)買付価額は、
「378円×1,000株+384円×300株+387円×500株+389円×300株+390円×4,500株+392円×2,200株+393円×1,000株+398円×2,300株+400円×6,000株」
の額である。
違反行為(2)について、重要事実の公表後2週間におけるエスケーエレクトロニクスの最も高い株価は、1,488円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。
(1,488円×14,300株) - 買付価額11,160,800円(注2)
=10,117,600円
⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、1011万円
(注2)買付価額は、
「754円×600株+771円×900株+773円×600株+774円×500株+776円×900株+777円×900株+778円×800株+779円×900株+780円×900株+781円×300株+782円×1,100株+783円×100株+784円×500株+785円×700株+786円×800株+787円×800株+788円×100株+789円×2,000株+790円×900株」
の額である。