平成27年12月22日

証券取引等監視委員会

住友商事株式会社との契約関係者の役員からの情報受領者2名による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、住友商事株式会社との契約関係者の役員からの情報受領者2名による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者(1)は、住友商事株式会社(以下「住友商事」という。)の契約関係者の役員から、同人が、契約交渉等に関して知った、住友商事が出資した米国タイトオイル開発プロジェクトに関し、住友商事の平成27年3月期第2四半期決算において約1700億円の減損損失を計上しなければならないことが確実になった旨の、住友商事の業務等に関する重要事実の伝達を受けながら、上記事実の公表がされた平成26年9月29日より前の同月25日、自己の計算において、住友商事株式合計3万1300株を売付価額合計4407万400円で売り付けたものである。

    課徴金納付命令対象者(2)は、住友商事の契約関係者の役員から、同人が契約交渉等に関して知った、

    • 住友商事が出資した米国タイトオイル開発プロジェクトに関し、住友商事の平成27年3月期第2四半期決算において約1700億円の減損損失を計上しなければならないことが確実になった旨の、住友商事の業務等に関する重要事実の伝達

    • 住友商事の属する企業集団の平成26年4月1日から平成27年3月31日までの会計期間の業績予想における当期純利益について、平成26年5月1日に公表がされた直近の予想値(当期純利益2500億円)に比較して、同社が新たに算出した同会計期間の予想値において投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとなる差異が生じた旨の重要事実の伝達を

    それぞれ受けながら、上記各事実の公表がされた平成26年9月29日より前の同月26日、自己の計算において、住友商事株式合計2000株を売付価額合計275万3000円で売り付けたものである。

    違反行為事実の概要については、別図のとおり。

    課徴金納付命令対象者(1)及び(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。

    課徴金納付命令対象者(1)892万円

    課徴金納付命令対象者(2)50万円

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。


(別図)

違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
(クリックすると拡大されます)

(別紙)

課徴金の額の計算方法について

金融商品取引法第175条第1項に基づき、課徴金の額は、

(売付価格)×(売付株数)

-(重要事実が公表された後2週間における最も低い価格)×(売付株数)

となる。

したがって、重要事実1及び2の公表後2週間における住友商事の最も低い株価は、1,123円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。

課徴金納付命令対象者(1)

売付価額44,070,400円(注1) - (1,123円×31,300株)

=8,920,500円

⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、892万円

(注1)売付価額は、

「1,408円×31,300株」

の額である。

課徴金納付命令対象者(2)

売付価額2,753,000円(注2) - (1,123円×2,000株)

=507,000円

⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、50万円

(注2)売付価額は、

「1,376.5円×2,000株」

の額である。

サイトマップ

ページの先頭に戻る