日本マニュファクチャリングサービス株式会社との契約締結交渉者の社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、日本マニュファクチャリングサービス株式会社との契約締結交渉者の社員による内部者取引違反行為について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
2.法令違反の事実関係
課徴金納付命令対象者は、兼松株式会社(以下「兼松」という。)の社員であったが、日本マニュファクチャリングサービス株式会社(以下「日本マニュファクチャリングサービス」という。)と兼松との資本業務提携に関する契約締結の交渉に関し、日本マニュファクチャリングサービスの業務執行を決定する機関が、兼松と業務上の提携を行うこと及び同社に対する第三者割当により自己株式の処分を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記重要事実が公表された平成27年3月30日より前の同年3月27日、自己の計算において、日本マニュファクチャリングサービス株式合計2000株を買付価額合計80万4600円で買い付けたものである。
違反行為事実の概要については、別図のとおり。
課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
3.課徴金の額の計算
上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、77万円である。
計算方法の詳細については、別紙のとおり。
(別図)
○違反行為事実の概要について
(別紙)
○課徴金の額の計算方法について
金融商品取引法第175条第1項に基づき、課徴金の額は、
(重要事実が公表された後2週間における最も高い価格)×(買付株数)
-(買付価格)×(買付株数)
となる。
したがって、重要事実の公表後2週間における日本マニュファクチャリングサービスの最も高い株価は、789円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。
(789円×2,000株) - 買付価額804,600円(注1)
=773,400円
⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、77万円
(注1)買付価額は、
「400円×1,100株+404円×300株+405円×200株+406円×400株」
の額である。