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平成29年3月6日

証券取引等監視委員会

アーツ証券株式会社ほかによる診療報酬債権等流動化債券(レセプト債)に係る偽計事件の告発について

証券取引等監視委員会は、本日、金融商品取引法違反(偽計)の嫌疑で、嫌疑法人2社及び嫌疑者3名を千葉地方検察庁に告発した。告発の対象となった犯則事実は下記のとおり。

  • 1.告発の対象となった犯則事実

    犯則嫌疑者Bは、診療報酬債権等流動化債券(レセプト債)の発行を業とする特定目的会社オプティ・メディックス・リミテッド(以下「OPM」という。)を実質的に運営・管理していた犯則嫌疑法人株式会社オプティファクター(法人番号7011001035267、以下「犯則嫌疑法人OPT」という。)の代表取締役として同社の業務全般を統括していたもの、犯則嫌疑者Aは、同債券の販売及び他の証券会社が同債券の販売を行うにあたっての助言・指導等の業務を行っていた犯則嫌疑法人アーツ証券株式会社(法人番号3010001084162)代表取締役として同社の業務全般を統括していたもの、犯則嫌疑者Cは、同社の取締役として犯則嫌疑者Aの業務を補佐していたものであるが、

    犯則嫌疑者3名は、共謀の上、犯則嫌疑法人両社の業務に関し、OPMが「OPTI-MEDEX Note」と称する診療報酬債権等流動化債券を販売するに当たり、

    実際には、同債券の裏付資産である診療報酬債権等の買取残高が同債券の発行済残高と比して過少で、かつ、投資家から得る販売代金の大半を既発行債券の元本償還及び利払いに充てざるを得ず、診療報酬債権等の買取りに充てられない状態であったのに、

    平成26年12月上旬頃から平成27年9月上旬頃までの間、19回にわたり、犯則嫌疑法人OPT従業員らに、証券会社3社に対し、同債券の裏付資産である診療報酬債権等買取残高を実際よりも過大に計上した内容虚偽の運用実績報告書を交付させるなどしてその旨虚偽の説明をさせた上、

    同年1月14日から同年10月頃までの間、28回にわたり、情を知らない証券会社4社の従業員らに、その顧客13名に対し、同債券が公的機関を債務者とする診療報酬債権等を裏付資産とする安全性の高い金融商品である旨内容とする「診療報酬債権等流動化債券の提案書兼契約締結前交付書面兼転売制限等告知書」を交付させるなどして同債券(販売金額合計10億1600万円)の購入を勧誘させ、

    もって有価証券の取引のため、偽計を用いたものである。

  • 2.関連条文

    金融商品取引法第197条第1項第5号、第158条、第207条第1項第1号、刑法第60条

    法定刑:自然人につき、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科、法人につき、7億円以下の罰金

  • 3.その他

    本件については、シンガポール通貨監督庁(Monetary Authority of Singapore)及び米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)より支援がなされている。

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