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平成29年3月31日
証券取引等監視委員会

公開買付者との契約締結交渉者からの情報受領者3名によるアイセイ薬局株式に係る内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

1.勧告の内容

証券取引等監視委員会は、公開買付者との契約締結交渉者からの情報受領者3名によるアイセイ薬局株式に係る内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

 

2.法令違反の事実関係

(1)課徴金納付命令対象者(1)について

課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社アイセイホールディングス(以下「アイセイHD」という。平成28年10月1日株式会社アイセイ薬局を吸収合併。同日株式会社アイセイ薬局に商号変更。)と、公開買付けに関する契約の締結交渉をしていた者である甲から、同人がその契約の締結交渉に関し知った、アイセイHDの業務執行を決定する機関が、株式会社アイセイ薬局(以下「アイセイ」という。平成28年5月2日上場廃止。平成28年10月1日株式会社アイセイ薬局に吸収合併され解散。)の株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実の伝達を受けながら、上記事実の公表がされた平成28年2月5日より前の同年1月27日、自己の計算において、アイセイ株式合計2000株を買付価額合計966万8500円で買い付けたものである。

違反行為事実の概要については、別図のとおり。
 

課徴金納付命令対象者(1)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等」をした行為に該当すると認められる。

 

(2)課徴金納付命令対象者(2)について

課徴金納付命令対象者(2)は、A法人の職員であるが、その職務に関し、アイセイHDと、公開買付けに関する契約の締結交渉をしていた者である甲から、同人がその契約の締結交渉に関し知り、その後、同人からA法人の役員乙が職務上伝達を受けた、アイセイHDの業務執行を決定する機関が、アイセイの株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成28年2月5日午後3時30分頃より前の同日午後2時25分から午後2時34分頃までの間、自己の計算において、アイセイ株式合計800株を買付価額合計350万9000円で買い付けたものである。
 

 違反行為事実の概要については、別図のとおり。
 

 課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等」をした行為に該当すると認められる。

 

(3)課徴金納付命令対象者(3)について

課徴金納付命令対象者(3)は、A法人の職員であるが、その職務に関し、アイセイHDと、公開買付けに関する契約の締結交渉をしていた者である甲から、同人がその契約の締結交渉に関し知り、その後、同人からA法人の役員乙が職務上伝達を受けた、アイセイHDの業務執行を決定する機関が、アイセイの株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成28年2月5日午後3時30分頃より前の同日午後2時37分頃、自己の計算において、アイセイ株式合計1000株を買付価額合計448万2000円で買い付けたものである。
 

 違反行為事実の概要については、別図のとおり。
 

 課徴金納付命令対象者(3)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等」をした行為に該当すると認められる。

 

3.課徴金の額の計算

上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。

課徴金納付命令対象者(1) 91万円
課徴金納付命令対象者(2) 72万円
課徴金納付命令対象者(3) 80万円

計算方法の詳細については、別紙のとおり。

4.その他

本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報も参考として、実態解明を行ったものである。

 


 (別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
(クリックすると拡大されます)

 



(別紙)

○課徴金の額の計算方法について
 

(1)課徴金納付命令対象者(1)について

ア.金融商品取引法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

(5,290円×2,000株)
-(4,800円×300株+4,810円×400株+4,845円×100株+4,850円×1,200株)
= 911,500円

 イ.金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記ア.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

 

(2)課徴金納付命令対象者(2)について

ア.金融商品取引法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

(5,290円×800株)
-(4,335円×200株+4,340円×100株+4,360円×100株+4,400円×100株
+4,440円×300株)
= 723,000円
 

イ.金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記ア.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

 

(3)課徴金納付命令対象者(3)について

ア.金融商品取引法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

(5,290円×1,000株)
-(4,440円×300株+4,500円×700株)
= 808,000円
 

イ.金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記ア.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

 

 

 

 

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