平成29年4月11日

証券取引等監視委員会

フォーバル・リアルストレート株式外6銘柄に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、フォーバル・リアルストレート株式外6銘柄に係る相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者は、

    (1)  株式会社ウェッジホールディングス(以下「ウェッジホールディングス」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成27年5月28日午前9時42分頃から同日午前11時15分頃までの間及び同年6月8日午前9時51分頃から同日午前11時6分頃までの間、直前の約定値より高指値の買い注文を発注して株価を引き上げたり、下値買い注文を大量に入れるなどの方法により、自己の計算において、同株式合計4万800株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計3万2000株を買い付ける一方、同株式合計3万2000株を売り付け、

    (2)  昭和ホールディングス株式会社(以下「昭和ホールディングス」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成27年5月28日午前9時44分頃から同日午前10時19分頃までの間、前記同様の方法により、自己の計算において、同株式合計17万4200株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計12万5300株を買い付ける一方、同株式合計12万5300株を売り付け、

    (3)  株式会社ヤマノホールディングス(以下「ヤマノホールディングス」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成27年5月28日午前10時42分頃から同日午前10時47分頃までの間、前記同様の方法により、自己の計算において、同株式合計9000株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計3万1700株を買い付ける一方、同株式合計3万1700株を売り付け、  

    (4)  株式会社ブロードバンドタワー(以下「ブロードバンドタワー」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成27年6月1日午前10時43分頃から同日午前11時21分頃までの間、前記同様の方法により、自己の計算において、同株式合計1万9800株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計1万6300株を買い付ける一方、同株式合計1万6300株を売り付け、

    (5)  株式会社オートウェーブ(以下「オートウェーブ」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成27年6月10日午前9時32分頃から同日午前9時49分頃までの間、前記同様の方法により、自己の計算において、同株式合計5万5700株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計2万3900株を買い付ける一方、同株式合計2万3900株を売り付け、

    (6)  株式会社さいか屋(以下「さいか屋」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成27年7月16日午前9時7分頃から同日午前9時9分頃までの間、前記同様の方法により、自己の計算において、同株式合計5万8000株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計1万5000株を買い付ける一方、同株式合計1万5000株を売り付け、

    (7)  株式会社フォーバル・リアルストレート(以下「FRS」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成27年7月16日午後0時40分頃から同日午後1時23分頃までの間、前記同様の方法により、自己の計算において、同株式合計6万1600株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計4万4700株を買い付ける一方、同株式合計4万4700株を売り付け、

    もって、ウェッジホールディングス、昭和ホールディングス、ヤマノホールディングス、ブロードバンドタワー、オートウェーブ、さいか屋及びFRSの各株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、前記各株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。

    違反行為事実の概要については、別図のとおり。

    課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第174条の2第1項に規定する「第159条第2項第1号の規定に違反する一連の有価証券売買等」及び「その委託等」に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、67万円である。

    計算方法の詳細については、別紙1及び別紙2のとおり。

  • 4.その他

    本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報も参考として、実態解明を行ったものである。


(別表)

○違反行為状況

違反行為状況
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(別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
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ウェッジホールディングスの株価及び出来高の推移
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昭和ホールディングスの株価及び出来高の推移
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ヤマノホールディングスの株価及び出来高の推移
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ブロードバンドタワーの株価及び出来高の推移
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オートウェーブの株価及び出来高の推移
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さいか屋の株価及び出来高の推移
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フォーバル・リアルストレートの株価及び出来高の推移
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(別紙1)

○課徴金の額の計算方法について

別表の各違反行為に係る課徴金の額の計算の基礎は以下のとおりである。

(1) 金融商品取引法第174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、

ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

及び

イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等又は買付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等又は売付け等の数量を超える場合、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額、又は当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

の合計額として算定。

(2) 上記(1)で算定された課徴金の額につき、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算定。

(3) 上記(2)によりそれぞれ算定した額を合計し、課徴金の額とする。

以上につき、別紙2のとおり。


(別紙2)

別表に掲げる事実につき

  • 1.ウェッジホールディングス株式(期間A)の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、6,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、6,000株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(6,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
      (515円×5,700株+516円×300株)
      -(509円×800株+510円×1,000株+511円×200株+512円×2,600株
      +513円×200株+514円×900株+515円×100株+516円×100株
      +517円×100株)
      = 19,700円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額19,700円となる。

     

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、10,000円となる。

     

        
  • 2.ウェッジホールディングス株式(期間B)の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、26,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、26,000株であることから、 

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(26,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
      (513円×3,100株+515円×4,200株+516円×5,200株+517円×2,900株
      +518円×2,000株+519円×2,000株+520円×1,400株+524円×5,200株)
      -(510円×15,900株+514円×900株+515円×3,700株+516円×1,100株
      +517円×1,100株+518円×1,200株+519円×1,200株+520円×600株
      +521円×300株)
      = 136,500円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額136,500円となる。

     

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、130,000円となる。

     

        
  • 3.昭和ホールディングス株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、125,300株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、125,300株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(125,300株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (133円×13,000株+134円×4,100株+135円×59,900株+136円×48,300株)
    -(133円×67,000株+134円×21,400株+135円×21,300株
    +136円×11,800株+137円×3,800株)
    = 154,200円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額154,200円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、150,000円となる。

     

  • 4.ヤマノホールディングス株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、31,700株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、31,700株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(31,700株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (92円×9,000株+93円×13,700株+94円×9,000株)
    -(91円×29,300株+92円×1,200株+93円×900株+94円×300株)
    =59,500円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額59,500円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、50,000円となる。

     

  • 5.ブロードバンドタワー株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、16,300株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、16,300株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(16,300株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (386円×6,300株+388円×4,000株+389円×6,000株)
    -(383円×16,000株+384円×100株+385円×100株+386円×100株)
    =74,300円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額74,300円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、70,000円となる。

     

  • 6.オートウェーブ株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、23,900株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、23,900株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(23,900株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (180円×4,100株+184円×18,400株+185円×1,400株)
    -(179円×900株+180円×16,300株+181円×3,200株+182円×600株
    +183円×800株+184円×1,200株+186円×600株+187円×300株)
    =64,200円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額64,200円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、60,000円となる。

     

  • 7.さいか屋株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、15,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、15,000株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(15,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (135円×15,000株)
    -(133円×12,000株+134円×2,000株+135円×1,000株)
    =26,000円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額26,000円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、20,000円となる。

     

  • 8.FRS株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、44,700株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、44,700株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(44,700株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (147円×6,800株+148円×10,900株+149円×18,800株+150円×8,200株)
    -(144円×36,500株+145円×800株+146円×600株+147円×5,400株
    +148円×600株+149円×800株)
    =182,600円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額182,600円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、180,000円となる。

     

  • 9.上記、1.ないし8.により算定した額の合計
    10,000円+130,000円+150,000円+50,000円+70,000円+60,000円 +20,000円+180,000円)
    =670,000円となる。

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