平成29年9月8日

証券取引等監視委員会

シーシーエス株式会社社員からの情報受領者による内部者取引違反行為及び当該社員による公開買付けの実施に関する事実に係る伝達違反行為に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、シーシーエス株式会社社員からの情報受領者による内部者取引違反行為及び当該社員による公開買付けの実施に関する事実に係る伝達について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    (1)課徴金納付命令対象者(1)について
     課徴金納付命令対象者(1)は、シーシーエス株式会社(以下「シーシーエス」という。)の社員である課徴金納付命令対象者(2)から、同人がその職務に関し知った、オプテックス株式会社(平成29年1月1日商号変更でオプテックスグループ株式会社。以下「オプテックス」という。)の業務執行を決定する機関が、シーシーエスの株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実の伝達を受けながら、上記事実の公表がされた平成28年4月7日より前の同年3月14日から同年4月1日までの間、自己の計算において、シーシーエス株式合計9200株を買付価額合計1126万2800円で買い付けたものである。
     上記公開買付けの実施に関する事実は、オプテックスから、シーシーエスの役員が、その職務に関し伝達を受け、その後、シーシーエスの社員である課徴金納付命令対象者(2)がその職務に関し知ったものである。

     違反行為事実の概要については、別図のとおり。

     課徴金納付命令対象者(1)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等」をした行為に該当すると認められる。

    (2)課徴金納付命令対象者(2)について
     課徴金納付命令対象者(2)は、シーシーエスの社員であるが、同人がその職務に関し知った、オプテックスの業務執行を決定する機関が、シーシーエスの株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を、課徴金納付命令対象者(1)に対し 、上記事実の公表がされる前にシーシーエス株式の買付けをさせることにより、課徴金納付命令対象者(1)に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。
     上記公開買付けの実施に関する事実は、オプテックスから、シーシーエスの役員が、その職務に関し伝達を受け、その後、課徴金納付命令対象者(2)がその職務に関し知ったものである。
     課徴金納付命令対象者(1)は、上記事実の公表がされた平成28年4月7日より前の同年3月14日から同年4月1日までの間、自己の計算において、シーシーエス株式合計9200株を買付価額合計1126万2800円で買い付けたものである。

     違反行為事実の概要については、別図のとおり。

     課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条の2第2項に規定する「第167条の2第2項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の買付け等若しくは売付け等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。
     課徴金納付命令対象者(1)133万円
     課徴金納付命令対象者(2)66万円

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。

  • 4.その他

    本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報も参考として、実態解明を行ったものである。


(別図)

○ 違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
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(別紙)

○ 課徴金の額の計算方法について

1.課徴金納付命令対象者(1)について

(1)金融商品取引法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

  (1,369円×9,200株)
-(1,100円×500株+1,170円×200株+1,186円×100株+1,197円×900株
  +1,199円×400株+1,200円×1,000株+1,217円×200株+1,218円×300株
  +1,219円×600株+1,220円×400株+1,226円×300株+1,229円×200株
  +1,230円×200株+1,255円×1,700株+1,260円×1,200株
  +1,270円×1,000株)
= 1,332,000円

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、1,330,000円となる。

2.課徴金納付命令対象者(2)について

(1)金融商品取引法第175条の2第2項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該買付けによって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。
利得相当額とは、同条第4項第2号の規定により、情報受領者等が株券等の買付けをした場合、当該株券等の買付けについて公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格に当該株券等の買付けの数量を乗じて得た額から当該株券等の買付けについて当該株券等の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

 {(1,369円×9,200株)
-(1,100円×500株+1,170円×200株+1,186円×100株+1,197円×900株
  +1,199円×400株+1,200円×1,000株+1,217円×200株+1,218円×300株
  +1,219円×600株+1,220円×400株+1,226円×300株+1,229円×200株
  +1,230円×200株+1,255円×1,700株+1,260円×1,200株
  +1,270円×1,000株)}×1/2
= 666,000円

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、660,000円となる。

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